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寿し柳(すしりゅう)はりまや橋店

[すし・sushi]

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2023年1月23日
高知県高知市南はりまや町
昭和3年創業の「寿し柳(すしりゅう)」さん。
創業者の濱口柳吉さんの名から付けられた屋号です。
リアカーで行商していた時代から、現代の高知の最先端すし文化まで
高知のすしを守り続けているお店の一つです。

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はりまや通り沿いという好立地。

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天井のアーチが美しい、1階のカウンター席

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高知の郷土寿司の一つ、「蒸し寿司(むしずし)」。
寿し柳さんでは、その蒸し寿司をさらに進化させていて
様々な蒸し寿司を食べることができます。

蒸し寿司
サバ蒸し寿司
うなぎ蒸し寿司
魚蒸し寿司
サーモン蒸し寿司
カニ蒸し寿司
イクラ蒸し寿司
北海蒸し寿司

すべて制覇したくなってしまいます。。。
一番人気は、やはり定番の「蒸し寿司」とのこと。

そしてなんと!
ミニ蒸し寿司に天麩羅とそばが付いた
蒸し寿司定食なるものまで!!


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今回は寿し柳さんにて、この蒸し寿司について勉強させていただきました。
こちらが吉本料理長。
高知県須崎市出身  昭和40年生まれ
元々は和食の料理人で、
東京の吉祥寺やアメリカのコロラド州デンバーなどでその腕を磨き再び高知へ。
寿し柳では20年目の大ベテランです。
両利きという特殊能力も羨ましく、
包丁は右、酢飯を切るのは左と、自由自在。

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まずは基本の酢飯きりから。
お米は、寿し柳オリジナルブレンド。
柚の酢(ゆず果汁)をベースに、酢も加えた寿し柳のすし酢は
名物の「蒸し寿司」と「田舎ずし」に使われています。

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最初に、酢飯に入れたのはタケノコ煮

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そこに、乾燥キクラゲを水戻し刻んだもの。(最後に蒸す工程で火入れ)

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酢飯に均等に混ぜ込んでいきます。

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すし酢がほぼ柚子果汁なので、香りがたまりません!

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年季の入った「角蒸せいろ」が並びました。

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せいろ一つが一人前。
適量の酢飯を入れていきます。

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こちらが、寿し柳の蒸し寿司に入る色とりどりの具材です。

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まずは、塩のみで味付けした錦糸卵。

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次に盛り付けているのが、この右側の黄色い玉子焼きのようなもの。

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魚のすり身に卵を加えて作られた「厚焼き玉子かまぼこ」
寿し柳さんでは「厚(あつ)」と呼んでいました。

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吉本料理長、ガリをとる箸は左手だ!

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ガリの隣りには、カニカマの赤色を添えて

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せいろの右上角には、すし屋ならではの甘辛く味付けしたカンピョウと椎茸

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こちらは、「焼き身」と呼ばれる、魚の身をほぐして砂糖、醤油、酒、みりんで炊いたもの。

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錦糸卵の綺麗な黄色を埋め尽くすが如く、どんどん具材が盛り込まれていきます。

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中央には、お花模様のかまぼこ(珍しい)。

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さらに、煮アナゴ。

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グリーンピース

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茶色に、赤、黄色、緑。
盛り付けの中での緑の大切さが一目でわかりますね!

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アナゴの煮詰め(タレ)を塗って準備完了です!

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あれ??
いつの間にか、中央にうずらの卵が割ってある!
このままでも食べたいくらい、美味しそうなバラちらし寿司を
寿し柳さんでは、10月〜5月のゴールデンウィーク終わりくらいまでの長い間
蒸し寿司として食べることができます。
店内はもちろん、テイクアウトも!
そして、昼だけでなく、夜も!

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こちらの蒸し器の上に

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せいろを重ねていきます。

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熱が逃げないよう、重い蓋を上からのせて蒸しスタート!

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裏側はこんな仕組み。(見ちゃイヤよ!)

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すでに調理済みの具材ばかりで構成されているせいろの中身ですので
数分であっという間にホクホクの温かいおすしになります。
蒸し寿司は「蒸し置き」することはできません。
できないというか、加熱し過ぎてしまうと、
せっかくの柚子の香りや酸味が飛んでしまったり、酢飯がべちゃってしまうため
注文が入ってから蒸して、蒸し立てを食べていただく贅沢なおすしです。

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蒸し器から湯気がもくもく。
蓋を開けてみると、

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完成しましたー!
これが温かいおすし、「蒸し寿司」です。

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関西の方は見慣れているかもしれませんが、
その他の地域では「非日常ずし」の一つです。

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色々な美味しい香りが混ざって、
食べる前からテンション上がる郷土寿司。

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中央に割られた、生のうずらの卵もしっかり火が通っている様子。

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こんな魅力的なおすしが
ぷらりと立ち寄って、気軽に食べられるなんて、

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冬はもちろん、肌寒い時期には本当に嬉しいおすしです。

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それでは、いただきます!
パッと見でいただく蒸し寿司と、
全工程見でいただく蒸し寿司の違い。
ここまで読んでくださった方なら、その手間の価値をわかっていただけますよね?

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蒸し寿司を頬張る目の前で、
サバの押しずしを切り始める吉本料理長

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「どうぞ、食べてみて。」
おおお!いいんですか!
白板昆布にシメサバと酢飯。
今でこそ定番の郷土寿司としての地位を確立している王道ずしですが

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この絶妙な組み合わせを最初に考えた人に
会ってみたいですね。^^

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写真右:吉本料理長
写真左:寿し柳の若女将の久美代さん
久美代さんはお父様も、おじいちゃんもすし屋という環境で育った
生粋のすし屋の娘。
おじいちゃんからは、「トロ食べたら、口が腫れるで。」とよく騙されていたとか^^。


蒸し寿司(41秒ショート動画)

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郷土寿司大国 高知に行ったら
ぜひ、蒸し寿司も食べてみてください!

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【寿し柳(すしりゅう)はりまや橋店】
所在地:高知県高知市南はりまや町1丁目2−20
電話:088-823-0101
ホームページ:https://www.sushiryu.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/harimaya_sushiryu/

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寿し柳さんの店内に飾られていたお言葉。

人はうれしいを感じる時
おいしいを感じる時
人に伝えたくなる。
寿し柳は
たくさんのうれしいが、おいしいが生かしてくれたお店なり。
今できること、
それはうれしいを増やすこと。

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昭和初期の高知と路面電車の風景写真

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寿し柳2階から見る、令和初期の高知と路面電車の風景写真

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おしゃれなデザインの寿し柳2階へ

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布袋様が両手を挙げて喜んでいる珍しい木彫り像がお出迎え。

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掘りごたつ式のテーブル席や

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個室もあります。

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ベルの代わりに置いてあったのが、
よさこい祭りの必需品「鳴子(なるこ)」!!

土佐ならではと感じる、【カツオのうんちく vol.1】なるものが
壁に貼られていました。
内容は、

1.冷凍かつお
カツオはサバほどじゃぁないが鮮度が落ちやすうて、
地元じゃぁ色を見ただけで鮮度がわかるきに、見向きもされん。
冷凍かつおは、釣り上げた魚の鮮度を保つために、
頭や内臓を取って節(ふし)の状態で凍らせる。
解凍すると色がやや黒ずむ。
もっとひどうなると茶色になってしまう。
もちろん食べたときの弾力やジューシーさもぜんぜん違うき、うちでは使えん。
かつおは獲れる時期によっても味が違う。
土佐人にとっては、ほとんど一年中食べるのがあたりまえの魚やけんど、
初かつおも走りは生で、その後脂がのってきたらタタキで、それか逆で、
と食べ分ける人も多い。

2.ゴシとトロ
カツオはプロでもさばいてみんと分からん難しい魚で、
稀にハズレがあってそのハズレ鰹のことを「ゴシ」と呼びゆう。
身はガチガチに固うて、まずい。
逆にこりゃぁもう抜群に美味い「あたり!」に出会うこともある。
脂の乗りぐあいが並外れていて、弾力があり、包丁が入らんほど。
地元高知のお客さんはよう知っちゅうので、
そんな鰹はあっという間に売り切れ。
こういうカツオの見分け方は、熟練したプロでもなかなか見分けられん。
すごく、スッゴク難しい。
ただしこの鰹、発送用には向かない。
その美味しさの根源である脂が、時間とともに全体に廻って、
身の色が黒味がかって色合いが落ちる。
味は良いがやけんど、県外の人はその色で鮮度が悪いと思ってしまう。

【カツオのうんちく vol.2】も読んでみたい!!

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寿し柳さんでは【大阪寿司】も食べることができます。
創業者の濱口柳吉さんが大阪にルーツをもち、高知にも広めてくださったわけです。

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にぎりずしと、大阪寿司、どちらも少しずつ食べたい!
というお客様のニーズにもバッチリ対応している商品がこちら。
【にぎり大阪】

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助六寿司(一般的には、いなりずしと巻きずしを詰め合わせた折詰のこと)
ならぬ、
助八寿司、助十寿司という遊び心満載のネーミング。

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カウンターで出番を待つ凛とした、大阪寿司たち。

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白板昆布でぐるりと巻かれたサバ寿司

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カンピョウ、椎茸などを薄焼き玉子で巻いた玉子巻

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3種の箱寿司

これらのおすしは、店内でも、テイクアウトでも食べることができます。

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ある日の寿し柳ランチ

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食べたいおすしが色々入っていて嬉しい!

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握りずしランチは全国各地にありますが、
いなりずしが付いているって意外とないかもしれません。

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太巻き2切れ

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サバの箱寿司

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玉子巻きまで入ってます!

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【番外編】 ↓

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寿し柳の若女将 久美代さんと初めてお会いした、
【2022 土佐の酢みかん&土佐寿司まつり】
https://www.sumeshiya.com/blog/2021/10/2022.html

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夜の寿し柳

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この日は、飲みの3軒目の締めとして、ほろ酔いでお邪魔してきました。
高知らしく、土佐の日本酒で締め。

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おつまみのように、一つからでも注文出来るのが
すし屋さんの良さでもあります。

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お通しのあん肝だけで一杯目の日本酒が底をついてしまうのは、
身体が高知モードになっている証。

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お品書きを見て、想像ができるものはなるべく注文しない思考なのは、
酔っていても同じ。
この中で一番気になるのは、「たちいか」!!

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高知では、アオリイカのことをタチイカとも呼ぶそうです。

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想像ができるものはなるべく注文しない!とか言いながら、
マグロの赤身を注文してしまうブレブレ思考。
好きなんですもん。

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お酒のアテにどうぞ!
と、サービスでいただくにはしっかりし過ぎている肉料理が一皿。
それに応えんばかりと、
もう一本、土佐酒を注文するのが、高知モード。

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最後は浅く酢締めされたゴマサバの握りずしで高知らしく締め!!
ごちそうさまでした!

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【寿し柳(すしりゅう)はりまや橋店】
所在地:高知県高知市南はりまや町1丁目2−20
電話:088-823-0101
ホームページ:https://www.sushiryu.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/harimaya_sushiryu/