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尿酸値(にょうさんち)、気にしてますか?

[記録]

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こんな本をいただいてしまいました。
いつも自然体で自分の体と向き合うようにしているつもりなので少しでもいつもと違うと、
原因究明したくなります。
44歳、足指まわりに鈍痛、手の甲に肌荒れ、耳たぶの下あたりに赤切れのような痛み。
何かしたわけでもないのに、こんな症状が出るということは、
何かがおかしいサインだ。
そう思って、近所のお医者さんにて血液検査をすると
やはり尿酸値が高めになってきているようです。
うちの親父も生前は度々、痛風で泣かされていました。
親父からの言葉の一つに、
『だい、痛風にだけは絶対になるなよ。治んねーから。』があります。
一度なってしまうと完治しづらいと昔から言われている痛風は
自分の意識次第で避けられる病気なので、
この機会にしっかりと知識を身につけておこうと思います。
この冊子を熟読し、参考にしながらブログにまとめておくこととしました。
尿酸値が高くなってきた方必読です。

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尿酸値(にょうさんち)
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健康診断の結果、尿酸値が高かった方へ
僕も職業柄、注意をしていたものの高くなってきてしまいました。
8.4mg/dL!!
痛風発作を起こす前に、生活習慣を改めて年相応に見直したいと思います。
思えば生前、親父も痛風を度々起こしておりました。
遺伝というよりは、親父の食生活が大きく影響していたように思います。
急に足の親指の付け根が痛くなり、歩けないほどの痛さだということで
子供ながら、ふざけて叩いたら、物凄い怒られた記憶があります。^^;

尿酸値が高いと、痛風発作をはじめ腎臓の病気や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などにかかわります。
心当たりのある方は、まず一度、医師に相談しましょう。

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昔は「ぜいたく病」と言われていた痛風ですが、
飽食の現代ではありふれた疾患になっています。
尿酸は体内でできる老廃物のひとつですが、
「血液中の尿酸の濃度が高い状態=高尿酸血症」が続くと
体内に尿酸の結晶が蓄積して、痛風(つうふう)と呼ばれる関節炎を起こしたり、
高血圧や糖尿病などの生活習慣病を悪化させたりします。
つまり、高尿酸血症は痛風の予備軍であり、生活習慣病の要素のひとつでもあります。

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【高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)】ってなに?
尿酸値が高いとなぜいけないのか?
血液中の尿酸の濃度のことを尿酸値といいますが、
尿酸値が 7.0mb/dL を超えたら「高尿酸血症」と呼びます。

高尿酸血症の状態が長く続くと、尿酸の結晶が体のあちこちに沈着し始め、
激痛で知られる「痛風発作」をはじめとする様々な症状を引き起こします。
最近では、高尿酸血症は高血圧や高脂血症、糖尿病、狭心症などの生活習慣病や
慢性腎臓病(CKD)を合併しやすいことがわかってきました。
生活習慣病のベースにはメタボリックシンドロームといわれる
内臓脂肪型肥満の代謝異常がありますが、
高尿酸血症も全身の代謝異常のひとつの現れともいえます。
高尿酸血症はこれらの疾患と密接に関係し、。動脈硬化を進行させ、
心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクを高めているといわれています。
※尿酸の結晶が腎臓に沈着しなくても、高尿酸血症により
腎臓の働きが低下することがあります。

【高尿酸血症では、水面下に隠れてみえない重大な合併症に注意することが大切です。】
〈腎障害(痛風腎)〉
尿酸の結晶が腎臓に沈着して、腎臓の働きが低下する。
腎障害が進むと腎不全を起こし、透析(とうせき)が必要になることも。

〈痛風結節〉
尿酸の結晶が皮下組織(皮膚の下)に沈着してかたまりができる。
ひじや手の甲、耳介(じかい)などの体温の低いところにできやすい。

〈痛風発作(関節炎)〉
尿酸の結晶が関節内に沈着して起こる関節炎で、
あるとき急に腫れや激痛を伴って起こるのが特徴。

〈尿路結石〉
尿が酸性になって、尿の中の尿酸が溶けにくくなり、
結石ができる。

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【そもそも尿酸ってなに?】
尿酸という名前から、「尿」の「酸」のことだと勘違いされやすいのですが、
尿酸はひとつの物質の名前です。
尿酸のもととして食品に含まれる「プリン体」が有名ですが、
実は食品のプリン体からつくられる尿酸は全体の20%に過ぎず、
残りの80%は体内でつくられるエネルギーの燃えかすと、
遺伝子(RNA・DNA)が分解されることによって生じる老廃物です。
できた尿酸は、尿の中に排泄され、
体内の尿酸の量(尿酸プールといいます)は常に一定に保たれています。

【尿酸値はどうして高くなるの?】
体内で尿酸がつくられ過ぎたり、
不要となった尿酸がうまく体の外に排泄されなくなることで、
血液中の尿酸の濃度が高くなります。

【体内の尿酸プール】イメージ
体内でつくられる尿酸は1日約600mg(体内で合成が約500mg:食べ物から約100mg)
主に尿中に排泄される尿酸は約600mg

体の中でつくられる尿酸の量と体の外へ排泄される尿酸の量のバランスが崩れると
尿酸値が高くなるという仕組み。

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【高尿酸血症と痛風の関係】
痛風発作は痛風関節炎ともいわれ、尿酸の結晶が関節に沈着することで起こります。
発作はある日突然起こり、腫れと激痛を伴うのが特徴です。
場所は足の親指の付け根が最も多く、痛むのは普通一度に1ヶ所だけです。
発作は1〜2週間程度で治りますが、根本にある高尿酸血症を放っておくと
発作を繰り返します。

【関節炎の起こりやすい場所】
足の親指の付け根
足首
足の甲

手首
ひじ

【痛風になりやすい人は・・・】
痛風患者の95%が男性で、
元気で仕事も遊びもバリバリこなしているタイプの人が多い。。。
激しいスポーツを好んだり、仕事命だったり
アルコール、特にビールが大好きで
早食い、大食いで太っている人など。

【痛風の起こる仕組み】
尿酸値が 7.0mg/dL を超えた状態が長く続くと、
血液に溶けきらなかった尿酸が結晶化して、関節に沈着します。
ストレスや激しい運動、尿酸値の急激な変動など何らかのきっかけで、
沈着していた尿酸の結晶が関節の中ではがれ落ちると、
白血球がそれを排除しようと格闘します。
その結果、関節の炎症(痛風発作)が起きるのです。
高尿酸血症を治療しない限り、これを繰り返してしまいます。

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【高尿酸血症と痛風にはどんな治療をする?】
高尿酸血症だからといって、すぐに薬による治療が必要になるわけではありません。
尿酸値が 7.0mg/dL を超えている方は、まずは生活習慣を見直しましょう。
ただし、次のような方は薬を飲むことがすすめられますので、主治医に相談しましょう。
・痛風発作を起こしたことがある、または痛風結節がある方
・尿酸値が 8.0mg/dL 以上で合併症のある方
・尿酸値が 9.0mg/dL 以上の方
※ここでいう合併症とは、腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、
糖尿病、メタボリックシンドロームなどです。

【治療の基本】
高尿酸血症と痛風治療の根本治療は、
尿酸値 6.0mg/dL 以下を目指した尿酸値の継続的なコントロール。
起きてしまった痛風発作の治療とは分けて考えます。
※尿酸値 6.0mg/dL 以下を保つと、体に沈着している尿酸の結晶が溶けだし、
痛風発作や合併症のリスクが減るといわれています。

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【生活習慣の改善】
「尿酸値が高い」と言われると、とかくプリン体の制限にばかり目が向きがちですが、
大切なのは、尿酸値を上げやすい生活習慣全体を見直すこと。
1.食事の量を抑えて、体重を落としましょう。
2.アルコールを減らしましょう。
3.水分を十分にとりましょう。
4.適度な有酸素運動をしましょう。
5.ストレスを上手に発散しましょう。
尿酸値を下げる生活は、他の生活習慣病も併せて改善してくれます。

〈1.食事の量を抑えて、体重を落としましょう。〉
肥満を解消すると、多くの人で尿酸値が下がってきます。
尿酸値が高いからといって、食べてはいけないものはありません。
いろいろなものを少しずつ食べて、食事全体の量(カロリー)を抑えましょう。
食事で気をつけるポイントは、次の3つです。
・適正カロリーを守りましょう
1日に摂取する適正カロリーの目安は「標準体重 × 25〜30kcal」です。
※標準体重の計算式は、「身長(m)² × 22」で求められます。

・プリン体のとりすぎに注意しましょう
食べてはいけないものはないとはいえ、
プリン体を多量にとると尿酸値が上がることに違いはありません。
ポイントは食べる量と頻度。
魚卵や内臓などのプリン体の多い食品は「たまに」「少し」楽しんでください。

・アルカリ性食品を積極的にとりましょう。
尿酸値が高いと尿が酸性になり、尿酸が溶けにくくなって
尿路結石ができやすくなります。
野菜、海藻、牛乳などのアルカリ性食品を積極的にとるとともに、
水分を十分にとりましょう。

【プリン体の多い食品】
※1日に摂取するプリン体の量は400mgを超えないようにしましょう。

[プリン体が極めて多い食品]
鶏レバー 80g : プリン体 250mg : カロリー 89kcal
マイワシ干物 80g(2尾) : プリン体 245mg : カロリー 154kcal
あん肝(酒蒸し)15g : プリン体 60mg : カロリー 67kcal
マダラの白子30g:プリン体168

[プリン体が多い食品]
豚レバー 80g : プリン体 228mg : カロリー 102kcal
牛レバー 80g : プリン体 176mg : カロリー 106kcal
牛ヒレ肉 200g : プリン体 197mg : カロリー 350kcal
カツオ 80g(刺身5切) : プリン体 169mg : カロリー 115kcal
マイワシ 50g : プリン体 105mg : カロリー 109kcal
大正エビ 50g : プリン体 137mg : カロリー 48kcal
マアジ干物 60g : プリン体 148mg : カロリー 101kcal
サンマ干物 90g : プリン体 188mg : カロリー 235kcal
※原産地により異なります
参考:日本食品標準成分表2010

【尿をアルカリ化する食品】
藻類(ひじき・わかめ・こんぶ)
きのこ類(干ししいたけ)
豆類(大豆)
野菜類(ほうれんそう・ごぼう・にんじん・きゃべつ・だいこん・かぶ・なす)
いも類(さつまいも・さといも・じゃがいも)
果実類(バナナ・メロン・グレープフルーツ)

【尿を酸性化する食品】
卵類(卵)
肉類(豚肉・牛肉)
魚介類(サバ・アオヤギ・カツオ・ホタテ・ブリ・マグロ・サンマ・アジ・カマス・イワシ・カレイ・アナゴ・シバエビ)
穀類(精白米)

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〈2.アルコールを減らしましょう。〉
ビールにプリン体が多いというのは有名な話ですが、
ビールに限らずアルコールそのものが尿酸値を上げる原因になります。
プリン体の量はお酒の種類によって違いますが、たくさん飲んだら一緒です。
尿酸値の高い人はなるべくお酒を控えましょう。
アルコールが増えると、摂取エネルギーも増える上に、痛風のリスクも高まります。
量を考えて飲みましょう。
【1日の飲酒量の目安】
ビール 350ml〜500ml
日本酒 180ml
ワイン 200ml
焼酎 90ml
ウイスキー、ブランデー 60ml

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〈3.水分を十分にとりましょう。〉
尿酸は尿から排泄されるため、尿の量が増えれば、
体内の尿酸が体の外へ出やすくなります。
心不全や腎不全で水分制限の指示を受けているような場合を除いて、
1日 2Lを目安に積極的に水やお茶で水分をとりましょう。
果糖や砂糖を含む甘いソフトドリンクは、肥満につながる上、痛風のリスクを高めるので
飲み過ぎに注意しましょう。

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〈4.適度な有酸素運動をしましょう。〉
肥満の解消、尿酸値の高い人に合併しやすい生活習慣病の予防のためにも
運動することがすすめられます。ただし、激しい運動は、かえって
エネルギーの燃えかすである尿酸が増え、尿酸値を上げる原因になるので要注意。
ウォーキングのような軽い有酸素運動を継続して行うのが効果的です。
毎日の生活習慣に取り入れる工夫をしましょう。
毎朝10分間の早歩きから、週3回程度、標準体重を目標に運動を継続して行いましょう。
過度な筋肉トレーニングや肩で息をつくような激しい運動は控えめに。

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〈5.ストレスを上手に発散しましょう。〉
痛風になる人には、せっかちで行動的な人が多いといわれています。
食事をすれば早食い大食いで、仕事はバリバリこなし、
プライベートもじっとしていない・・思い当たる方はいませんか?
こうしたタイプの方はストレスにさらされやすく、
ストレスは尿酸値を上げるといわれています。
尿酸値を下げるためにも、ストレスを解消することが大切ですが、
そのストレス発散法が飲酒や過食では、逆に尿酸値を上げる結果となってしまいます。
十分な睡眠、適度な運動など、体に優しい自分なりのストレス解消法を見つけてください。

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【痛風発作(急性関節炎)の治療】
痛風発作が起きたら、激痛を和らげるために関節の炎症を抑える治療を、
発作が起きている間だけ行います。


[痛風発作のときの薬の使い方(例)]

〈前兆期〉
関節の違和感やむずむず感など発作の前触れがあるときに
痛風発作予防薬を服用すると、発作を予防したり、軽減します。


〈極期〉
関節の炎症や痛みを抑えるために、
非ステロイド抗炎症薬を短期間だけ大量に服用しても効かなかったり、
使用できない場合には、ステロイド薬を使用します。

〈回復期〉
痛みが持続する場合は、非ステロイド抗炎症薬の通常量を服用します。

市販の痛み止めを服用した場合に、かえって症状が悪化することがあるので、
自己判断で服用しないようにしましょう。

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【痛風発作が起きたときの対処法】
患部を心臓より高くして冷やしましょう。
温めたり、もんだりすると逆効果です。
無理に歩き回るのも禁物です。
発作の治療に尿酸値を下げる薬は使いません。
痛風発作は、尿酸値が上がったときだけでなく、
急に下がっても起きやすからです。
発作中は尿酸値をなるべく変動させないことが原則。
発作が治ってから、尿酸値を下げる治療を始めます。
※ただし、すでに尿酸値を下げる薬をきちんと服用している方が
発作を起こした場合は、そのまま薬を続けてください。

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【高尿酸血症の治療】
痛風発作が治まったら、まるで病気が治ったかのように見えますが、
根本にある高尿酸血症は何も解決していません。
ここからが本当の治療の始まりです。
高尿酸血症の治療で、体内にたまった尿酸を溶かしだして、
痛風発作や高尿酸血症に関連する様々な合併症を予防しましょう。

【尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)は次のタイプがあります。】

〈尿酸生成抑制薬〉
尿酸が体の中でつくられるのを抑える薬です。

〈尿酸排泄促進薬〉
尿酸を体の外へ出しやすくする薬です。

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僕が処方していただいた薬はこちら。
ユリス錠 0.5mg を最初の1週間ほど服用し
その後、
ユリス錠 1mgに変更して4週間経過を見ていきます。

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「薬のはたらき・注意事項」の欄には
尿酸の排泄を促し、痛風、高尿酸血症を改善します。
水分を多くとり、尿の量を増やすようにしてください。
と書かれていますので、
このユリスは、〈尿酸排泄促進薬〉ですね。

「尿酸降下薬を服用しているときの尿酸値の目安」
6.0mg/dL 以下が理想的
7.0mg/dL 前後は注意
8.0mg/dL 以上は危険

【尿酸値はゆっくり下げましょう。】
血液中の尿酸の濃度が急激に下がると、
関節などに沈着していた尿酸の結晶が一気に溶け始めることがきっかけで、
痛風発作が起こることがあります。
尿酸値を下げる薬を服用する際は、発作を防ぐために、
医師の指示に従い段階的にゆっくり尿酸値を下げていきましょう。

【5週間ユリスを服用した結果】
朝、食後に1錠のユリス(薬)を服用し
週5日間は30分〜1時間のウォーキングの習慣を日々に組み込み
再び血液検査をし、結果が出てきました。

8.4mg/dL だった尿酸値が、4.5mg/dl まで下がっていました!
まじめに向き合って良かったー。
がまだまだ気を抜いてはいけません。
人によっては、かなり尿酸値の上がり下がりもあるようなので
引き続きユリスを90日間服用し、また血液検査をして、
運動習慣、食生活については生涯を念頭に整えていこうと思います。

【尿酸値はしっかり下げましょう。】
尿酸値を目標値まで下げたら、その値をしっかり維持しましょう。
尿酸値を 6.0mg/dL 以下に保てば、痛風発作は起こらなくなります。
そして、そのような尿酸値を下げる生活習慣を続けていくことが、
心筋梗塞や脳卒中のような様々な合併症を予防することにもなるのです。

【医師の指示に従い、定期的に受診しましょう。】
薬を服用する際は医師の指示に従い、自己判断で薬を減らしたり止めたりしないようにしましょう。
高尿酸血症や痛風の治療は継続することが大切です。
定期的に診察を受けながら、根気よく治療を続けましょう。

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【参考資料】
帝人ファーマ株式会社 帝人ヘルスケア株式会社
冊子「尿酸値気にしてますか?」2020年9月改訂版
監修:鎌谷直之先生(公益財団法人 痛風・尿酸財団 理事)
https://www.tufu.or.jp/
執筆:山中寿先生(医療法人財団順和会 山王メディカルセンター院長)