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2019.08.17

氷魚(ひうお)えり漁

[寿司料理淡水魚湖魚]

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2020年1月15日 早朝

滋賀県 高島市 マキノ町 知内漁港

今回お世話になったのは、百瀬漁協さんです。

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組合長さんの操船により出漁です。

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極めてシンプルな船の構造です。

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前回の琵琶湖でのビワマス釣りの際は大雨だったのですが、
今回は風もなく穏やかで、
本来はこの時期、雪がしっかり降る地域だそうですが、
気温も3度ほどあり、絶好の漁日和でした。

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先に見える琵琶湖に浮かぶ島は、宝厳寺のある無人島『竹生島(ちくぶしま)』です。

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船を走らせること3分ほどで、『えり漁』の仕掛けが見えてきました。
杭が並んでいるのが見えます。これを上空から見ると、矢印のような形をしています。
これがエリと呼ばれる仕掛けです。
エリとは琵琶湖の伝統的な漁法で、定置網の一種です。

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湖岸近くに来た魚を矢印の両側に張出した「ツボ」と呼ばれる部分に誘導して、
ツボに仕掛けておいた網を引きあげて捕獲する漁法です。

ちなみに、『氷魚(ひうお)』とは、
鮎(アユ)の稚魚のことで、大きさは3cm〜6cmほどです。
この時期の氷魚の習性は単純で、夜に岸辺近くにむらがり、夜明けになると沖に出て行きます。
その時、障害物であるエリにぶつかり、誘導されて網(ツボ)の中へ入るという仕掛けです。

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すでに漁師さんたちが網を巻き始めています。
この日の水温は10℃。
水深15mほどのところでした。

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9月から10月くらいにアユが産卵し、その後生まれ(1〜2cm)、すくすく育ち、
12月から3月頃まで、極寒のこの時期に体が氷のように透き通っているため
氷魚(ひうお)と呼ばれています。
やがてウロコができて、体型も変化し、5月頃には小鮎(コアユ)と呼ばれるようになります。

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氷魚を水揚げしたらすぐに、船上の水槽の中で酸素を供給し、生きたまま港に運びます。
水槽の水は、アユの体液程度の0.68〜0.7%の塩水になっていて、
アユに傷が付いたときに、治りやすかったり、淡水の雑菌をわきにくくするためだそうです。

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まだ日が昇っていないこともあり、中が暗くて見えません。。

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さらに網を引き上げていきます。
エリに使う網は網目が細かく、デリケートで、
長さ30m近くになるものもあるそうです。
引きあげるのも大変ですが、引きあげてからの手入れ作業(絡んだ藻をとったり、切れた網を直したり)も
大変な仕事です。

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氷魚を網ですくう前に、大型の魚や細かなゴミなどをすくいます。

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日が昇ってきました。

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今回引き上げる網は本日2度目ということで、
漁師さんたちが先に獲っていた氷魚たちの姿が見えました。

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そして、今回の網の中を覗いてみると、

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氷魚が見えます。

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さらに網を引き上げていきます。

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網の中には、ニゴイウグイが入っていました。
ブラックバスビワマス、ウナギやナマズ類が入ることもあるそうです。

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遂に、氷魚をすくっていきます。

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見えた!

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そしてすぐに船上水槽へ移します。

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この木で出来た選別器の底は、このようになっていて、
小さな氷魚だけが落ちるように、大きな魚は残るようになっています。

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目的は氷魚の漁ですから、ウグイの子などはこのように、別にされます。

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氷魚たちが元気いっぱいに泳いでいます!

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ここからは、しばし氷魚のグラビア撮影です。

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どちらもアユの稚魚ですが、
下の透明のほうが氷魚と呼ぶに相応しい透明感ですね。
10月に生まれたか、11月に生まれたか
たった1,2週間の差でもここまで成長率が変わるそうです。
先に生まれたアユの赤ちゃんは、水温もまだ高めの稚魚にとって良い環境で
グングンと先に育っていき、あとから生まれたアユの赤ちゃんは、そもそも後から生まれているのに小さいのに加えて
水温も下がり気味の稚魚にとっては厳しい環境になるため、
これだけ成長差が出てしまうようです。

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一匹、生でいただいてみました。
ん??
あまーーーい!
ん、
苦ーい。
うまーい!

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港に戻ってくると、
猫ちゃんたちが待ち構えていました。

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氷魚の一部は検査用に、ホルマリンに浸けられます。

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網の中に入っていた、氷魚以外の魚は、漁師さんたちのおかず用と猫ちゃんたちに配られました。

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お魚咥えたネコちゃんは可愛くてたまりません。

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港に横付けされた船から生きた氷魚をザルですくい、
水を切って軽量し、水槽車に移し替えます。

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今回の氷魚は、琵琶湖産のアユ苗(なえ)となり、
全国各地の河川、池への河川放流用として旅立ちます。
川で生まれ、海で育ち、川に戻ってきた海産のアユの稚魚と比べて、
琵琶湖のアユは、川で生まれて湖で育ち
海に出ていないので、ウロコが小さく、皮が薄く、調理すると骨が柔らかいのが特徴です。

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すべてをそのまま出荷することもあれば、滋賀県内の水槽で育ててから県外に出荷されることもあります。

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獲れたての氷魚を食べさせていただけるということで
ザルにくださいました。

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こちらは、一緒に獲れたウグイ、ハス、ゴリ、モロコ、などを甘辛く煮たもの。

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漁協内のキッチンスペースで

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釜揚げとかき揚げを作ってくださいました。

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沸騰させた塩水(2リットルに対して60gのお塩を入れていました。)に生の氷魚を入れて
アクを取り続けます。
再沸騰して10分くらいで上げるのがお母さんのレシピとのことでした。

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茹で上がったばかりの熱々の氷魚に

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扇風機で風を送って、一気に冷やします。
これがベチャらないポイントです。

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たまに混ざっているスジエビ。これが入っていたらラッキーです。

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氷魚のかき揚げの準備をしていきます。

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氷魚の釜揚げも、氷魚のかき揚げも、
通常いただくシラス(イワシ類など)とは違い、
アユのあの美味しい苦味と香りも旨味に追加されるので
本当に特別な味わいです。
口いっぱいにこんなにたくさんのアユを入れていいのか?
資源保護は大丈夫なのか?
と思われるかと思いますが、
全国への河川放流用と県内の河川放流用でしっかりと資源確保をした上での
余剰分となるため問題ないそうです。
そして、アユの寿命は卵を産んで1年ということもあり、
放流して増えすぎた分、毎年獲っても残るため、資源保護の観点は問題ないようです。

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地元には、氷魚飯(ひうおめし)なる、贅沢な炊き込みご飯があるそうなので、
ぜひ今度はいただいてみたいです。

氷魚のえり漁、一連の映像は以下からご覧いただけます。
氷魚が泳ぐ、水中動画もございます。