ブログ

2016.06.27

潮かつお

[乾物海の生き物]

shioIMG_3131.jpg

創業明治15年
静岡県 伊豆 田子節・潮鰹の
『カネサ鰹節商店』さんにお伺いしてきました。

有りそうで、無い、現在日本で唯一のここだけで作られているもの。
それが
『潮かつお(しおかつお)』です。

IMG_3135.jpg
(左)酢飯屋 岡田大介(中)カネサ鰹節商店 芹沢安久さん (右)奥様

IMG_3136.jpg
作業前の風景

IMG_3139.jpg
芹沢さんが手に持っているものが
昔は2000本ほど作っていたが、今は半分になってしまった潮かつお
お正月にだけ作る神聖なもの。
お正月に神様に奉納して祈り、三が日が過ぎると
近所のみんなで食べるのが潮かつおの文化。

IMG_3141.jpg
魚を愛する人間の一人として、
藁(わら)を纏った鰹の姿を見て、
魚愛の真髄を感じました。

IMG_3143.jpg

IMG_3145.jpg
ここ西伊豆は昔、
かつお漁船40槽、かつお加工屋が60軒あったそうです。
しかし、
かつおが獲れなくなると
漁船がなくなり、
祭りもなくなってきてしまいました。
芹沢さんは、
この文化を絶対に残したい!
ということで
一般の方にも潮かつおを受け入れていただけるよう
まずは入り口として
さまざまな加工品を作ったところ、
『神様の食べ物を加工するな!』と怒られたそうです。
継承するために行動したのに。

shipIMG_3146.jpg

IMG_3147.jpg

IMG_3148.jpg
潮かつおは『荒堅魚(あらかたうお)』ともいい、
日本で唯一、静岡県 西伊豆 田子で作られています。
塩分濃度は20パーセントほど。
粗塩で2週間漬けて3週間ほど日陰で干します。
日陰でじっくりと干すことで鰹の水分が出やすくなるそうです。
ちなみに、
本枯節は『煮堅魚(にかたうお)』と呼ばれるそうです。

IMG_3150.jpg
今はなぜ、潮かつおが流通しないのか?
それは、
鰹が生で食べられるインフラが整ったから。
塩漬けにして保存性を高めて流通させなくても
冷蔵、冷凍で流通出来る時代になったからですね。

IMG_3151.jpg
原料となる鰹ですが、
中部太平洋(赤道近く)の脂の無い鰹(かつおぶしに適している)を
静岡県焼津で水揚げ、冷凍し、かつおぶしなどの様々な加工品になります。

IMG_3152.jpg
かつおは、見た目でオスとメスを見分けることが困難です。
お腹を切って初めてわかります。

shipIMG_3153.jpg
かつおは、生まれた瞬間から泳ぎ、酸素を得なければならないので
速く泳ぐためにウロコが少なく進化したと言われております。

IMG_3154.jpg
鰹節の作り方は、
まず90℃で約2時間ほど煮込みます。
煮込んで冷めると堅くなります。
ここで骨を抜いたものが『なまり節』になります。
なまり節を燻乾燥(くんかんそう)させます。
普通、一般的には60℃くらいの密閉空間で中まで満遍なく水分を抜きます。
が、カネサ鰹節商店さんでは
手火山式焙乾法(てびやましきばいかんほう)という、
要するに、直火製法です。
かつおぶしを密閉空間に閉じ込めず、
人間も同じ空間を共にするため、
煙も吸うし、何より熱い。
最も危険な方法と言われておりますが
最もかつおぶしを美味しくする方法だとも言われております。
一般の倍の120℃を超える熱さで4,50分、
一気に表面を硬めて中に旨味を閉じ込める匠の技です。

shioIMG_3155.jpg
かつおぶしは、世界一硬い発酵食品と言われております。
ちなみに、世界二は、干しアワビ。
世界三は、干し肉だそうです。

IMG_3157.jpg
日本最古の本枯節の作り方は
180年代初頭、静岡賀茂田子鰹製造法

IMG_3160.jpg
麹菌を付けることで
かつおぶしの水分を取る。

IMG_3161.jpg
カビを多めに付けて、
天日干しで殺菌、またカビが出てきて、天日で殺菌。
これを4回以上繰り返せば、
一般的には、かつおぶしの最高峰『本枯節(ほんがれぶし)』と呼ぶことができる。
しかし、田子の手火山式は水分が多いので
20日から30日間、カビが生えなくなるまで
これをなんと6回から8回も繰り返します。
完成のチェックは、打音で金属音を職人の耳で聞き分けます。

IMG_3162.jpg
この日は、カビ付けの前の工程までを見せていただけました。

IMG_3163.jpg

IMG_3164.jpg

shipIMG_3165.jpg

IMG_3166.jpg

IMG_3167.jpg

IMG_3168.jpg

IMG_3169.jpg

IMG_3170.jpg

IMG_3175.jpg

IMG_3176.jpg

IMG_3177.jpg

IMG_3179.jpg

IMG_3181.jpg

IMG_3185.jpg

IMG_3186.jpg

IMG_3192.jpg

IMG_3193.jpg

IMG_3195.jpg

IMG_3197.jpg

shioIMG_3199.jpg

IMG_3200.jpg

IMG_3202.jpg

katuIMG_1412.jpg
先日、カネサ鰹節商店の芹沢さんの
潮かつおの勉強会が行われるということで、
潮かつお料理をケータリングさせていただきました。

会場:HAPON新宿      
東京都新宿区西新宿7-4-4 武蔵ビル5F
                     
katuIMG_1402.jpg
かち栗の山椒いろり煮

※鰹色利(堅魚煎汁)-かつおいろり-は
鰹節を作る最初の工程で、
かつおを煮込む時の煮汁をずっと煮込み続けて
漉して煮込んで作るもの。
700リットルが4リットルになるまで煮詰める。
実際に出汁の起源(高級版)と言われていて
庶民の出汁の起源は、潮かつおを焼いたものでとっていたそうです。


katuIMG_1404.jpg
断面が七色に輝く潮かつお(生)

katuIMG_1405.jpg
無漂白かんぴょうの潮かつお煮

katuIMG_1407.jpg
潮かつおの粉末でいただく焼きレンコン

katuIMG_1408.jpg
酢飯屋ちゃんという牛さんを潮かつおと落花生ボールで

katuIMG_1409.jpg

katuIMG_1410.jpg
かつおの塩辛

katuIMG_1411.jpg
潮かつお燻焼き

他、酢漬けなまりぶし寿司、大根とかつおの塩辛汁
をメニューに組みました。


katuIMG_1413.jpg
(左)カネサ鰹節商店 五代目 芹沢安久さん (右)酢飯屋 岡田大介

katuIMG_1418.jpg
(左)こめみそしょうゆアカデミー 事務局長 堀田雅湖さん


船主×船員×神様
地元の漁師さんの間では
潮かつおを食べて契約を交わすほどの神聖なもの。
自分たちがこれから、
失礼の無いように、いかに継承させていただける一部分でも担えるか。
日々の生活に上手に取り入れていけたらと思います。

カネサ鰹節商店さん
静岡県 賀茂郡 西伊豆町 田子600-1
電話番号 0558-53-0016
ホームページ http://homepage2.nifty.com/kanesa16/