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北海道 小樽市(3日目)小樽ソープランド物語編

[すし・sushi岡田イズム海の生き物生き物記録]

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これを見て、どこかわかる人は、水族館通!

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そーです!
冬の『おたる水族館』にやってきました。

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季節によっては、隣りの遊園地も営業しているようですが、
流石にこの雪の季節は休業中です。

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振り返るとドーーーーーーーーンと広がるはずの石狩湾が
吹雪で全く見えない。。
そして、ものすごく寒い。。
早く館内に入ろう。

※小樽水族館で撮影した写真は、ネタバレになるので、軽めにしておきます。
ちなみに、毎度のことですが、4桁にのぼるほどの撮影をし、様々な生き物に興奮しっぱなし。
開園から閉園までみっちり小樽水族館を楽しませていただいたことは内緒でお願いします。

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オショロコマ

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ミズダコ

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ホッケ

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ヌマガレイ

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スナガレイ

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マボヤ

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エゾイソアイナメ (ドンコ)

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トクビレ (ハッカク)

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ハナサキガニ

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ケガニ

アザラシのお食事タイムは、野外の『凍るど!プール』で行われるということで
気温マイナス10℃の吹雪の中でも
当たり前のように実施されているおたる水族館が頼もしかったです。

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オヒョウ

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シャコ

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ジェンツーペンギン


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吹雪の合間に見える石狩湾のすぐ横におたる水族館はあります。

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Otaru Aquarium

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ベニザケ

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エゾトミヨ

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ニシン

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イガグリガニ

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イトウ

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クリオネ

ここでしか見ることの出来ない生き物や
展示テーマ、展示方法
たくさんの工夫が楽しくて、一日中いることができました。

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帰り際、少しは石狩湾が望めたものの、吹雪は変わらず
震えながら水族館を後にしました。

小樽3日目は、丸1日おたる水族館に捧げるぞと、冗談で思っていたのですが、
結果本当にこの日はこれでほぼ終了でした。
しかし大満足。

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心から、スノーボードを欲した、人のいない夜の雪道。

この日の夜も、
とあるお寿司屋さんに行ってきました。

スマホの電池が無くなり、一眼レフもホテルに置いてきてしまったので、
ここからは写真が無いのですが、
文章で記録しておきます。

題して、
【小樽 ソープランド物語】(ノンフィクション)

『へい、いらっしゃい!』
と、威勢のいい声で、漫画のような挨拶をくださった
不思議なデザインの短髪の大将が本日の寿司職人さん。
見た目も漫画みたいで、自然とテンションが上がります。
あたりは暗くなっているものの、実はまだ17時30分。
僕は一人客ということもあり、迷わずカウンター席に座らせていただきました。
外の気温と比べたら天と地ほどの店内の暖かさ。
お寿司屋さんがここまで暖かくて大丈夫なの?と思ってしまうほど。
でも、歯を噛み締めてしまうほど寒い外からきた人にとっては、かなり快適な店内。
椅子に座ると同時に出てくる
電子レンジで温め過ぎた白飯を素手で触ったかのような
あっつ熱のおしぼりがまたいい。
僕は以前からあまり量を飲むのが得意でなかったビールが
40過ぎてここ最近、無限に飲めてしまうという不思議なステージに辿り着いたということもあり、
恥ずかしながら、先日生大デビューを果たしたばかり。
しかし、ただただとりあえず、1杯目はビールから。
という性格の人間でもないので、
この日は、熱燗から始めようと、
まだ誰もお客さんのいないカウンターから
なぜか小さめの声で大将に注文をした。
『熱燗いけますか?』
はいよ。
と僕の注文に被せるほどのスピード感で返事をする大将。
『バリ熱でいいかい?』 となぜか北海道で博多弁を聞かされて瞬間的に困惑してしまったのか、
反射的に『ぬる燗でお願いします。』と 、
寒いからバリ熱という心遣いを踏みにじるような返事をしてしまった。
ダメだ、まだペースが掴めない。
すると、ガラガラガラと店の戸が開き、
手で暖簾をかき分けてくぐるというよりは、
暖簾に触れることなく、文字通り、本当にくぐるようにして
小さな小さなお婆ちゃんが入ってきました。
『毎度っ!』
と、大将が言うはずの言葉を、先にお婆ちゃんのほうから。
見かけからは想像ができないほどの声量だ。
ぬる燗をつけに、カウンターの奥の、こちらからは見えない厨房にいた大将が
チラリとお婆ちゃんを確認し、低い声で『毎度。』という。

『あんた、珍しいねぇ。
若い男の子が一人で、
寿司屋のカウンターに、こんな時間に。
あんた寿司屋だね?』

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

どこからどう見ても僕が寿司屋とわかる要素の無い格好だし、
良くも悪くも、だらしなく、ちょうど伸びかけの金髪だし、
そして、何より、僕はまだ何も、一言もしゃべってないぞ。。。。
占いババか?^^;

『え、いや、違います。』  

僕は本当に久しぶりにウソをついた。

どこのお寿司屋さんに行くときでも、
自分から言う場合と、聞かれたら必ず答える場合と
この2パターンでずっと生きてきた俺が、
このタイミングでウソをついた。

なんだか無駄に心拍数が上がる自分を
下がったメガネのフチの上からギロリと睨み付ける占いババ。
しかし、僕が不意についたウソを疑わず、
『あー、そうかい。失礼。』という言葉一言で
このことについては意外にも深堀りしてこずに、あっさり終わった。

僕的にはバリ熱だと思う温度の
ぬる燗がカウンターにトンと置かれた。

占いババは、しゃべらない。

大将は、僕からのつまみの注文を待っている様子。

占いババに、あっつ熱のおしぼりが置かれる。

僕は、敢えて自分が寿司屋と悟られぬように
あきらかに新鮮なホタテを指差し、
『この貝はなんですか?』と
アホ過ぎる質問をしてしまった。
敢えてにもほどがあった。

ダメだ。
気持ちが落ち着いたようで、実はまだ全く動揺しているな。。。

大将は少し眉間にシワを寄せた曇り顔で
僕の質問に今度は被せることなく
ゆっくり過ぎるスピードで 『 ホ  タ  テ 。』
と直球な答えを返してくれた。

占いババの視線を感じる。

僕は首を曲げずに目だけで右を見てみる。

あれ?
占いババと勝手に思ってたけど、
よく見ると、このお婆ちゃん、とっても綺麗な方だな。
若い頃はきっと、かなりモテたに違いない。

気がつくと、僕の首は完全に右を向いていた。

お婆ちゃんとは思えないほど
キメの細かい真っ白なシワの無い肌。
顔の四方に程よく散らばった色気のあるホクロ。
紫色の毛糸のセーターの上からでもわかる
大きな垂れた胸。
垂れてなかったらワールドカップだな。

お婆ちゃんはまた
メガネのレンズを通さず、上目遣いというよりは
上目睨みのような鋭い目でこちらを見ている。

僕の眼力だって負けちゃいない。
これまでも毎日毎日、たくさんのお客様や、その他出会った方々の人数は
それなりにいるし、僕は瞬時にして、人の色々を見抜く力を
自分独自のルールで養ってきたはずだ。

しかし、このお婆ちゃんの戦闘力は、
僕の天然スカウターでは計れない。!!

僕と、お婆ちゃんの前に
トン、トンと同時に置かれるニシン漬け。

『大将、おまかせでおつまみお願いします!』
と一言注文すればいいのに、
頭の中は今、考えなければならないことで一杯
パソコンの画面上にある矢印がレインボーに回転している。
しゃべれない。。。

いつの間にか溜まっていたツバを飲み込む音が自分にも聞こえる。
この緊張感を少しでも早く打破したい。
僕は左手にお猪口を持ち、
右手は熱さを我慢して徳利を
と、持ち上げた瞬間!!
『ちょいちょいちょい。』

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

カウンター席で言うところの二席分、間を開けた
すなわち3つ右隣りの席に座っていたはずのお婆ちゃんが、
気がつくと隣りの席にいる!!!
その大き過ぎる声に、ビクッ! ゾクっ! としたのは言うまでもなく。
ほんとに、。。。。なんだこの店。。
占いババって瞬間移動できなかったよな?

そして、
左手に持っていたお猪口に
驚くほどに滑らかにお酌をしてくださるオババ。

でもやっぱり、オババでは無いんだよなー。
悪い人でもなさそうだし。

『あんた、ソープランドって知ってるかい?』

と、突然なんだ!!!???

『あ、まぁ。はい。知ってます。行ったことはないですけど。。』

『なんでソープランドって言うか知ってるかい?』

『ソープ、泡? せっけん、 ランド、島、 石鹸島(せっけんじま)?
石鹸でヌルヌル泡泡みたいなことするからですかね?』

『あんたカワイイねー。何も知らないってのはカワイイねー。
私はね、あんたが産まれる前から札幌で名を売った元トップソープ嬢だよ。』

!!!!!!!!!!!!  え、なになに????  これ。

『世の中には色々な風俗があるだろ、でも本番行為は法律で禁止されているのが日本。
でも、ソープランドは本番をするんだよ。法律違反じゃないんだよ。あんたはきっと知らないだろうから教えてあげるわね。』

急に女言葉っぽくなってきたぞ。。
これ、とりあえずおつまみの注文とかいいから、聞き役に徹っしよう。
聞く力も大切だ。

『そもそも日本は昔から風俗は合法だったんだよ。
第二次世界大戦後、GHQの統治下で公娼が廃止されて規制が厳しくなって
その後、売春防止法が制定されてから、売春が違法となり
それと同時に風俗での本番が違法となったんだよ。
これくらいは知ってるよね?』

『あ、すみません。存じ上げませんでした。受験勉強の時に多分出てこなかったような。。』

『あんたは真面目過ぎるねー。かわいい。』

なんか、ねるねるねるねのおばさんみたいなしゃべり方がさらにコワイ。。

『トルコ風呂は知ってるかい? 今のヘルスみたいなものだよ。
売春防止法ができたあと、娼婦たちが隠れて始めた
本番が出来る、ソープランドの原型みたいなもの。
東京オリンピックの前に取り締まり強化でまた本番サービス禁止にされたんだよ。
トルコ風呂は、その名前の通り、トルコ風のお風呂なんだけど、
ちょうどその頃、日本に住むトルコ人から、名前に対する反発が起きて、
ソープランドという新しい風俗が生まれたわけ。』

『で、どうしてソープランドは摘発されないんですか?』

『今話すから聞いてなさい!』

この話、全部録音か動画撮らせてもらえば良かった。
メチャメチャ面白い!!

『ソープランドの表向きの規則は、【女性がお世話をしてくれるお風呂】ということになってる。
受付で支払う料金が入浴料って書いてあるから見てみな。
ソープ嬢と部屋に入って、互いに服を脱いで、全身を洗ってもらうのがソープランド。
ただ身体を洗うだけじゃなくて、色々なことやるよ。
そこで本番もする。』

『それだと、違反ですよね、、。。』

『お客様の身体を洗っている時に、女に恋愛感情がわいて、テックスをしたとしたらどうだい?』

『て、テックス??』

『売春は法律で禁止されているけど、これは個人の恋愛だよ。
どうしてテックスしちゃいけないんだい?』

『テックス??』 ^^;

『わざとだよ。セックスって言ったらあんたが照れると思ってふざけて言ったんだよ!
どんくさいねー。』

『お店側は入浴料しかもらってないからね。ソープランドでは売春行為は一切行われていないわけ。
わかった?』

『はい!完璧に記憶しました! 皆に伝えます!』

『バカ。』

この会話の間、大将は一言も話に口を挟まず、
ただひたすらに大根を桂むきして、
うす〜くなったそれを綺麗に丸め直して、
端から静か過ぎるほどの力加減で包丁をトントントントンと
いや、サッサッサッサとツマにしているのを僕はしっかり確認していました。
おばばの声が確実に聞こえるように、
それは神業と思えるほどの優しい優しい包丁使い。
こんなにまな板の音を立てずに静かに大根が切れるものなのか。。。
僕は、お任せのお刺身盛りを注文した。
ホッケの刺身、ホタテ、シャコの脇役に徹する
その繋がった、連なった大根のツマにホッとして
僕たちはそこから2時間ほど、
信じられないくらい、大親友のように大盛り上がり。
あの時の緊張の糸なんてどこへやら。
最高に楽しい時間をくださったお二人に感謝いたします。

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足もとの悪い中、ほろ酔いでホテルに帰る帰り道。
除雪車が輝いていた。

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人は、非日常的なものに惹かれがちなのだろう。
雪国の人にとっての日常は、そうでない人にとっての非日常。
だからツララや除雪車をこうして撮影してしまうのだろう。

それにしても無駄なく滑らかに綺麗に除雪する彼の運転技術を見ていると
さっきのオババの現役時代のテクニックを想像してしまう。

作業中の運転手さんに 『撮影しても良いですか?』と
酔っ払いは大声で呼びかける。
エンジン音で聞こえていないかな?と思ったら
サムズアップが返ってきた!

最大限に大きな声で酔っ払いは『おつかれさまです!』と叫び
ホテルに帰るのであった。

北海道 小樽市(4日目)につづく

北海道 小樽市(1日目) 真冬のミズダコ スキューバー編
北海道 小樽市(2日目)小樽運河編
北海道 小樽市(3日目)小樽ソープランド物語編
北海道 小樽市(4日目)奇跡のニシン釣り編