てんたくらりあ・テンタクラリア・Tentacularia
[海の生き物]
カツオの腹部分の身に寄生している米粒サイズの白いつぶつぶした寄生虫が
テンタクラリアです。
条虫類 四吻目(じょうちゅうるい よんふんもく)
寄生虫だけあって、身の中では元気に生きていますが
寄生から外すと、数分で弱まって、動かなくなってしまいます。
アニサキスよりは、だいぶ生命力が弱いです。
取り出したばかりのテンタクラリアは、驚いたのか一瞬、ジッとしています。
しかし、事の重大さに気がつくと、ウネウネと体を動かし始めました。
カツオの身にいる白い寄生虫「テンタクラリア」の衝撃映像がこちらです。
人間が食べても害は無いと言われていますが、ちょっと抵抗ありますよね?^^;
と言いつつも、20代の頃はテンタクラリアを活きたまま食べるとどうなるか?
そんなアホな人体実験をしていました。アニサキスも同様に^^;
ちなみにこちらがアニサキスブログです。
お好きな方はどうぞ!
https://www.sumeshiya.com/blog/2000/06/post-391.html
このテンタクラリアが沢山寄生しているカツオは美味いんだ!と
修業中に先輩方から教わったものですが、確かにそんな気がしています。
ただ、その根拠を確かめるためのテストは今後何度も繰り返してみないとわかりません。
もしかしたらですけど、アレルギーと関係したりするかもしれないと思って、
テンタクラリアやアニサキスは生きていても死んでいても、
今は徹底的に取り除いて調理するようにしています。
しかし、ここまでウネウネしているテンタクラリアは初めて見ました。
気持ち悪いけれど、ついつい見入ってしまう系。
徐々に動きが活発になってきて、4つの角を出し始めました。
もしかしたらカタツムリやナメクジのように、
この4本の角(つの)には、視覚、嗅覚、味覚の機能が備わっているかもしれませんね!
2本の大触角(だいしょっかく)が視覚と嗅覚(視覚は明暗がわかる程度。)、
もう2本の小触角(しょうしょっかく)は、嗅覚と味覚がわかる。みたいな。
もっとよく見れば、呼吸孔(こきゅうこう)だってあるかもしれない。
研究者の方がいらっしゃったら、是非教えていただきたいです。
info@sumeshiya.com までご連絡いただけませんでしょうか。
寄生から取り外してから5分もすると、動きが鈍くなってきてしまいました。
何のために生まれて、何のために生きるのか?
ちょん!と突ついてみたら、また動き始めました。
なんだか可哀そうな気持ちになってきました。
ずっと見ているとだんだん可愛く見えてくるもので。
しかしゴメン。
もう動かなくなってしまったね。
処分させていただくね。
次の個体、テンタクラリア2号ちゃん。
一旦、死んだふりくらい動きません。
10秒くらいすると、伸び始めました。
また独特な運動を開始。
やっぱり手前側が顔で、きっと眼があるのだと思う。
しかし、よく動きはするものの、一向に進まない。
ナメクジのように足の役割をする部位がないのでしょう。
カツオの身の中では、自身の体を前から後ろへとムクムクさせることで
居心地の良い場所に移動しながら寄生してカツオから栄養摂取するのかな。
僕の個人的意見ですが、
カツオを調理する人も食べる人も「テンタクラリア」という寄生虫について
知っておくことは大切だと思っています。
アニサキスを筆頭にその他の寄生虫もです。
寄生虫が気持ち悪いと思って、魚自体を嫌いになってしまったりしては残念です。
普段口にする魚にいる寄生虫は、目視で確認出来るものが多いので、
怪しむ、探る、除去する能力は、個人個人がつけていかなければ
「知らなかった。」だけで食中毒にもなり得るからです。
テンタクラリアに関しては、人に害がないということで
農林水産省や、各保健所などでも情報提供されています。
それでもやっぱり、お刺身の中に寄生虫が入っていることで
嫌な思いを与えてしまったり、気分を害される方はいらっしゃいます。
身近な魚の身近な寄生虫について、一緒に勉強していきましょう。
美味しそうな投稿だけでなく、
少々気持ち悪い今回のような寄生虫などがいるという現実、
そんな調理現場の投稿も大切だと思っております。
テンタクラリア、ぜひ覚えておいてくださいね。
ニベリニアという似た寄生虫についてはこちらからどぞ!
http://www.sumeshiya.com/blog/2001/03/nybelinia.html