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あかもく・アカモク・Sargassum horneri

[海藻]

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ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属アカモク
根は仮盤状根。
茎は単条で円柱状、縦に溝状の皺(しわ)があります。
体の平均的な高さは3〜5m位です。
葉は長楕円形または線状の輪郭で羽状に分裂しています。
気胞は円柱状で羽状に分岐した葉を冠します。
生殖器床は長円柱状です。
雌雄異株タイプです。
雌の生殖器床は太く短くて、雄の生殖器床は細くて長いです。

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地元の漁業権のある方と採集しております。@石川県

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引っ張っても引っ張っても繋がっていて、とても長かったです。
成熟期の2~3月には10mにも成長するそうです。

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旬は1月~3月あたり。
新潟の佐渡では、『ナガモ』と呼ばれて、昔から食べられているそうです。

アカモクは、2~3月に成熟したメスの胞子が海中を漂い、石などに付着し、成長します。
収穫は翌年の2~3月となります。
天然のアカモクは、水深5~8mの海底から海面近くまで伸びるので、船の上から引き上げるのは大変な作業です。
佐渡のアカモクの漁獲量は、年間80t前後です。
新潟県水産海洋研究所では、
平成13年からアカモク(ナガモ)の試験養殖に取り組み、
平成22年には、漁業者の協力を得て養殖アカモク(ナガモ)の収穫・出荷に成功。
出荷された養殖アカモク(ナガモ)の品質は、天然ものと変わらない評価を獲得。

アカモク( ナガモ)は、
稚魚の隠れ家や多くの生き物が生息する「海のゆりかご」と呼ばれて、
沿岸域の藻場を形成する重要な海藻となっています。

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食感バランスが絶妙で『しゃき、ねば、ぬるッ!』。
独特の粘り気は、『アルギン酸』という水溶性食物繊維です。
 アルギン酸には、お腹の調子を整えたり、血中コレステロールを低下させる働きがあります。
たっぷりの食物繊維、そしてフコイダンも含まれています。

熱湯にくぐらせると茶色から鮮やかな緑色となり、とろろのような粘り気が出るのが特徴です。
それを細かく刻んで汁物やそば、ご飯にかけて食べるのが一般的です。
 1月から3月の収穫期は生で出荷されていますが、
茹でて刻んだ冷凍品は周年販売されています。

【生のアカモクの下処理方法】
※下処理済みの湯がきアカモクというものも販売されています。

1 漁獲されたアカモクには、泥や小さな生き物が付着しているので
水がきれいになるまで水道水で3回程度、手で揉み洗いをする。

2 アカモクの軸は固く、口当たりがよくありませんので、手でしごいて取り除く。
葉と軸は先端から根元に向かってしごくと、きれいに取り除くことができます。

3 しごきとった葉(可食部)を水道水で3回程度洗い、取りきれなかったゴミを取り除く。

4 アカモクが浸かるくらいのたっぷるの熱湯を用意し、数秒~数十秒ゆがきます。
鮮度の良いアカモクは、お湯に入れると茶色から緑色に変化します。

ゆがいたアカモクをザルにあげて湯を切り、水道水をかけて冷やします。
この作業から、ネバネバがたくさん出てきます。
ザルでしっかり水切りしたあと、保存容器に入れて保存します。
2~3日で食べる場合は冷蔵し、それよりも長く保存する場合は冷凍してください。