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ふりそでえび・フリソデエビ・振袖海老・Hymenocera picta

[海の生き物]

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動物界 Animalia
節足動物門 Arthropoda
軟甲綱 Malacostraca
十脚目 Decapoda
コエビ下目 Caridea
テナガエビ上科 Palaemonoidea
フリソデエビ科 Hymenoceridae
フリソデエビ属 Hymenocera Latreille, 1819
フリソデエビ H. picta

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太平洋とインド洋のサンゴ礁に生息しています。
通常はフリソデエビ属 Hymenocera には1種のみを認められていますが、
2種に分ける場合もあります。

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第二胸脚が発達し、和服の振袖のように見えることが名前の由来です。

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全長2〜5cm。
雄は雌より少し小さいです。

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第一触角と、第二胸脚の不動指が葉状に大きく拡大するのが特徴です。

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体は乳白色から白色をしています。
中央から東太平洋に生息する個体は、黄色い縁のある紫のかった斑点を持ち、
インド太平洋に生息する個体は、青い縁のある褐色のかった斑点を持つことが確認されています。
前者をH. picta 、後者をH. elegans として2種に分ける場合もあります。

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水深1〜20mで見ることができます。
体色は警戒色だと考えられていますが、毒を持つことは知られていないです。
一夫一妻制で、縄張りを持ちます。
交尾は雌の脱皮後に行われ、雌は100〜5,000個の卵を産み、孵化まで保護します。

ヒトデを専食します。
小型で移動性の低いヒトデを好みますが、
通常はそれだけでは足りないため、オニヒトデのような大型のヒトデも襲います。
オニヒトデの天敵として、フリソデエビをサンゴ礁の保護に用いることも考えられています。
稀にウニも食べるようです。

フリソデエビは、獲物としてはアオヒトデを好むと考えられています。
狩りは雌雄のペアで行われます。
まず、小型で素早い雄が獲物を発見し、ヒトデを裏返しやすくするために縁の管足を切り離し、
雌がこれに加わってヒトデが裏返されると、
第一胸脚にある小さく鋭い鋏脚を用いて外皮を切り裂き、
体内の管足や生殖巣を引きずり出して食べます。