なんようきんめ・ナンヨウキンメ・Beryx decadactylus
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
棘鰭上目 Acanthopterygii
キンメダイ目 Beryciformes
キンメダイ亜目 Berycoidei
キンメダイ科 Berycidae
キンメダイ属 Beryx
ナンヨウキンメ Beryx.decadactylus
ナンヨウキンメダイとは呼ばれずに、ナンヨウキンメが正式。
東京 → 東京都 ◯
大阪 → 大阪府 ◯
北海道 → 北海 ×
ナンヨウキンメ → ナンヨウキンメダイ ×
深海性の中型海水魚です。
熱帯・亜熱帯を中心とした世界中の海に生息し、日本にも南日本を中心に生息しています。
同属種のキンメダイによく似ていますが、
目が大きく、体高が高く、強く側扁した楕円形の体型を持つことで区別できます。
体長は体高の2倍程度です。
最もよくみられるのは全長35cmほどの個体ですが、
最大で全長100cmに達するとも言われています。
記録されている最大の体重は2.5 kgです。
水深110〜1000mの海底近くを、群れを作って泳ぎ、無脊椎動物や小魚を捕食します。
漁業の対象となることもありますが、
ほとんどの場合、キンメダイを対象とした漁業で混獲されることが多いです。
体色は背側では深赤色で、腹側では橙色を帯びています。
その他の部分は主に銀色を帯びたピンク色で、胸部はやや黄色味を帯びています。
口腔内と鰭は鮮やかな赤色です。
鮮やかな赤い色は、赤い光が届きにくい深海環境への適応として
キンメダイの仲間以外の多くの種でもみられるものです。
背鰭（せびれ）
背鰭は4棘条18〜20軟条、臀鰭は4棘条25〜30軟条。
臀鰭の基底はやや丸みを帯び、尾鰭は深く二叉しています。
鱗はやや大きく、側線上にある鱗の数は52〜62枚と少なめです。
尻ビレ
ナンヨウキンメは
1829年に、フランスの博物学者 ジョルジュ・キュヴィエ氏が著した
22巻にも及ぶ魚類の目録 『Histoire naturelle des poissons』の第3巻において初記載されました。
現在有効な学名は、『Beryx decadactylus』 です。
種小名の『decadactylus』 は、ギリシャ語で『10本の指』という意味です。
標準和名の『ナンヨウキンメ』の他に、
関東の魚市場では『ヒラキンメ』や『イタキンメ』とも呼ばれます。
これは、ナンヨウキンメが同属種の『キンメダイ(B. splendens )』に比べて
強く側扁した体型を持つことに由来する呼称です。
スズキとヒラスズキのようなね。
より正確には背鰭の軟条数が多いこと、頭部のとげが強大なことも識別形質となります。
主に甲殻類や頭足類、小魚などを捕食し、中でも小魚を最も多く捕食対象としています。
食性に関してはキンメダイと異なる点が多く、
ナンヨウキンメは、キンメダイよりも消化が速く、
より多くの種類の生物を捕食対象とします。
尾ビレ
産卵は6月から9月にかけての夏の間です。
オスは一年を通じて繁殖可能な状態にあります。
産卵期の間に、1匹のメスは多数回産卵を行う（バッチ産卵）タイプです。
卵は表層浮性卵で、そこから生まれる仔魚も水面近くを漂います。
卵は産卵後27時間ほどで孵化し、
生まれてくる仔魚の大きさは標準体長で1.5〜3.0mmほどです。
仔魚は、脳の近くに色素胞があることで近縁種の仔魚と区別できます。
仔魚は標準体長3.7〜6.0mmで屈曲期に達し、
標準体長15mmになる頃には、鰭条と鱗が完全に発達します。
この段階の稚魚は、腹鰭の軟条および背鰭前方の棘条が伸長することと、
浮き袋の近くに色素胞があることで、よく似るキンメダイの稚魚と識別できます。
稚魚は仔魚よりも深い海域に生息しますが、数ヶ月の間は中層を泳ぎ、
その後成魚と同様に底層で暮らすようになります。
孵化から4年で全長約30cmで性成熟に達します。
性成熟時の体サイズは、平均するとメスの方がオスよりも大きい傾向にあります。
他のキンメダイ科魚類と同様、成長は遅いタイプです。
正確な寿命については不明ですが、
69歳の個体が捕獲されたことがあり、
最大で85年程度生存できるという推定がなされています！！！
幼魚では頭部の眼前に強大なとげがありますが、成魚では見られません。
腹ビレ
胸ビレ
What day of the week？
