本枯節（ほんがれぶし）
酢飯屋のかつおぶしのメインとしてお世話になっております。
鹿児島県 指宿市（いぶすきし）の【大丸鰹節本舗】さん。
2014年9月に続き、2度目の訪問です。
この神々しい空間で、かつおが燻されております。
指宿で燻される。（いぶすきでいぶされる。）
はい。
前回連れてきた騒がしい息子達は、今回は連れてきませんでしたので、
代表の浜村昭仁さんにじっくりお話を聞くことが出来ました！
本枯節を作るにあたって、基本工程として
『もみつけ』という作業があります。
カツオの骨を抜いたところできる溝に
カツオの骨を抜いたときについている身をすり身のようにし穴埋めに使います。
溝があるままカツオ節を作るとヒビ割れの原因になるからです。
このすり身のことを『もみ』と呼びます。
この燻すお部屋、大丸さんのところは、なんと6階まであります。
地下に薪をくべて、
茹でたカツオを並べ、
一番火をいれます。
温度が高くなっても割れにくい樫の木を使うことで焦げた匂いではなく、ほどよい香りに燻されていきます。
その後火が弱まれば、何度か火入れをして7,8時間。
途中、節が反り返らないように向きを変えるなどの作業もあります。
安条（ゆっくり冷ますこと）させては、火入れしてを繰り返して
一ヶ月くらいかけて燻していきます。
1階から6階まではもちろん、室温が異なるため
徐々に上層階に上げていくことで、水分量がジワジワと絞り出されていきます。
上層階では、穏やかな熱でじっくりと燻されることになります。
大ぶりのカツオの身もすっかり引き締まり縮みました。
安条中のカツオ節。
縮んで凸凹になった表面をグラインダーで削り整えていきます。
以前訪問した時と変わらぬ風景がここにはありました。
完全に職人技です。
節の半分くらい、黒い皮が残っています。
皮にシワがあるほうが脂がある証拠。
味は美味いが、カンナで削ると粉が出やすい。
皮が縮んでいないものは脂が少ない証拠。
濁らずに澄んだ出汁がひける。
カツオ節業界では、後者が良いものとされていますが、
お好みは人それぞれ。
グラインダーの部門にも若手がいました。
こちらは同じグラインダーでも仕上げの工程。
ここまで綺麗に整えるのが日本人らしくて気持ちいいです。
天気の良い日に天日干しをしてカビを付け、
また天日干ししてカビをかぶせること4回。
自分たちが目にすることのないところで
大変な作業が1ヶ月ほど繰り返されています。
そしてこの圧巻な風景、変わらず健在でした。
今回もついつい、本枯節と浜村さんを撮影しまくってしまいました。
興奮して、指が勝手にシャッターを押しちゃうんです。。
カビがタンパク質を分解して旨味成分を出してくれます。
今回は接写レンズも持参していたので、カビをもっと近くで撮影することができました。
菌類ファンの方には堪らないショットかと思います。
今回同行した、酢飯屋に修行に入りたての稲村さんと、食のショールームパルズの山崎代表。
自己満足極まりない、宝物にしたい一枚を浜村さんとパチリ。
悦。
大丸さんのロゴ（かわいいバージョン）
完全に燻されている時計、削ったら美味しいのでは？？？
巻き網漁で獲られたと冷凍のカツオの場合は、ブライン液にて凍結されるため
塩分を強めに感じる。
ちなみに、この写真の本枯節は日本近海で一本釣りされたもの。
秋や春などのカツオの旬の時期には、鮮度の良い生のカツオで作ることもできるが、
魚が反ってしまうので、敢えて一度凍らせて加工していく。
釣りモノのカツオを本枯にすると丸くふわっとカビが付くという。
またもや接写レンズで、カビエクスタシータイム。
カツオの茹で場から上がる湯気が街に良い香りを届けてくれます。
この部屋から出る時、自然とお辞儀させていただきました。
ありがとうございます。
こちらが貴重な一番カビ。
最初は青いカビから始まるんですね。
前半の工程である、カツオの煮込みと燻しが上手くいかないと
カビが上手くつかないそうです。
この時付けるカビ菌は
ニンベンさんと焼津の加工組合さんが共同開発した菌。
よほど強い菌なのでしょう。
内臓の美味しいところは塩辛に
そうでないところは肥料にされます。
4年に1度、節のオリンピックという大会が
日本鰹節協会主催で行われているのをご存知ですか？
指宿の本枯節は、もちろん堂々入賞されております。
ここからは、2014年9月の初訪問の時の記録です。
本枯節の生産現場が見たくて、
鹿児島県 指宿市（いぶすきし）まで家族みんなで行ってきました。
午前中、原料となるカツオの生切りが見学できるということで
早起きしてお伺いしてきました。
若い方々が多い！のが第一印象でした。
頭部をカットするマシンにカツオをセットし、次の工程へと流れていきます。
当時3歳の長男、結は延々と興味深く見ておりました。
もの凄い速さでカツオが切り分けられていきます。
鰹節には使用しない『はら皮』と呼ばれるお腹の部位は、様々な加工がされ地元でも大人気のおかず、おつまみとなっています。
5枚おろしにされたカツオは
背中側（雄節-おぶし-）とお腹側（雌節-めぶし-）、サイズ別に手際よく選別され網にのせられていきます。
サイズに合わせて、こちらの釜で2時間から3.5時間ほど茹でられます。
この色と形が格好いい扉。
カツオが燻されているところを子供達にも見せてくださいました。
カツオ節や、3kgほどの小さめのマグロで作るマグロ節。
黄金色に透き通った出汁が出来る鰹節と違い、
マグロ節は白く透き通ったお出汁になります。
カビ付けする前の荒節
こちらがカビ付けと天日干しが繰り返された本枯節。
グラインダーで整形。この工程も職人技。
圧巻の本枯節空間。
綺麗すぎて、ついつい何枚も撮影してしまいます。
貴重な一番カビの写真です。
そして私、岡田大介
2020年 指宿鰹節アンバサダーに任命していただきました！
これからも指宿鰹節の魅力を自分なりの方法で発信していきたいと思います！！
カツオ節についてのご相談がございましたら何でもお問い合わせくださいませ。
日本の宝物食材の頂点を皆で学び後世に受け継いでいきましょう。
【指宿鰹節】ホームページから
指宿鰹節について、
製造工程、種類、レシピなどわかりやすくご覧いただけるようになっております。
http://ibusuki-katsuobushi.com/
