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おパンツびっしょりチキン南蛮

[お店岡田イズム料理]

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11時45分。
サラリーマンたちがランチに繰り出す前に入店せねば。
出張先のホテル、その目の前でランチ営業をしている居酒屋さんに駆け込む。
チキン南蛮定食がイチオシのようだ。
注文を終えてコップに水を注ごうとすると、
「前会計でお願いします。」と無愛想で冷たい口調の女子大生くらいのアルバイトさん。
事前決済をして、水をこくり。
2,3分で美味しそうなチキン南蛮がやってきた。
趣味である、ごはん撮影パチリ。
いただきます。

食事中に時々見かける、お茶をこぼしてしまう人や、箸を落としてしまう人。
小さな子供ならまだしも、大人でもかなりの頻度で目にしますよね。
すし屋さんを営業していても酔っている酔っていない関係なく、箸を落としてしまうお客さんが一定数います。
どうして落としてしまうのか?そのほとんどの原因は不注意ですよね。
逆に、ぜんぜん落とさない。という人も存在します。
注意力があり、想定ができて、意識して丁寧に食事をすること、それを自然に日常的にしている人は
お茶をこぼしたり、箸を落としたりする確率がとても低いように思います。

自分でいうのもなんですが、僕は後者側の人間です。
そんな僕がこの日、チキン南蛮定食の味噌汁のお椀を右肘で倒してしまった。
完全に不注意だった。
こぼした瞬間がスローモションで見える。
熱々の味噌汁は絶対に避けなければ危ない。スッと上半身を引き、シャツには一滴も付かなかったものの、
お椀一杯分のお味噌汁がすべてお股付近にびちゃー。
しかも、具材の油揚げが綺麗に2つ、股間にのっている始末。
寒い日だったので、厚手のズボンからじっくり染みたお味噌汁の熱は肌に到達する頃には温度が下がって、
さいわい火傷するほどではなかった。
僕はあまり慌てるタイプではないので、冷静に味噌汁を拭いながら、床にまでこぼしてしまった汁を何かで拭きたいと思って
キョロキョロしていると、あのアルバイトのお姉さんが気がついて、無言で雑巾を2つ差し出してくれた。
僕に1つ、彼女が1つ、ランチ時だし、2人でサッと片付けてしまおうということだろう。
謝って、お礼を伝え、もう一度謝ってみるも、彼女は表情を一切変えない。
どちらにせよ、悪いのは自分なので、彼女の対応には何も言うことはできない。
いつぶりだろうか。おねしょした時のあの感覚のまま、チキン南蛮定食を食べる。
おパンツまでびっしょり。あー、ホテルの目の前で良かった。
もう47歳なのだから、大盛りはよしておこうと思いつつ、
大盛りが食べられなくなったら老けるぞ。と毎度の身勝手な葛藤の末の大盛りを食む。
「よかったらどうぞ。」
あの無口のアルバイトさんが、新たなお味噌汁を持ってきてくれた。
ツンデレとはこのことだ。
あれだけ感じが悪くてお世辞にも良いとは思えなかった彼女に、一瞬にして心が奪われる。
おいしいランチだった。
合掌し、口の形だけごちそうさまでしたをして店を出る直前、彼女と目が合った。
僕は頭を深めに下げて、他のお客さんに聞こえるか聞こえないかくらいの声量で「ご迷惑おかけしてすみませんでした。ごちそうさまでした。」と伝えると。
1秒だけ僕をじっとみて、無視をした。ツンだ。
ツンとデレがセットなら、次のデレを見てみたい。
さ、午後も仕事がんばろ。