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くろまぐろ・クロマグロ・黒鮪・Thunnus orientalis

[すし・sushi海の生き物食遊び]

本マグロ(ホンマグロ)という呼ばれ方でも流通していますが
標準和名は、クロマグロです。

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こちらは、クロマグロの若魚(わかうお)です。
「めじまぐろ・メジマグロ」 や 「めじ・メジ」と呼ばれたりします。

酢飯屋では、年に数回買うか買わないかという魚が『クロマグロ』でした。
美味しいマグロを食べられる名店が東京には沢山あるから、
それなら敢えて出さなくても良いだろう。
そういう考え方でやっていた時期が10年近くありました。

【クロマグロの祖先と歴史】
クロマグロとマサバには共通祖先がいて、
古代は沿岸など浅いところに生息して小魚を食べていたけれど
ハタ類、スズキ類、ヒラメ類など天敵が多すぎるので、
沿岸ではなく、沖で生きる方向に生態を変更し、
絶えず泳ぎ続けることになるため
巨大でたくましい体へと進化したのがマグロの仲間です。

【形態】
体の大きさに比較して相対的に眼が小さく、胸ビレが短いです。
マグロ属7種のうち最大で、全長3mを超える巨体で、体重約700kgにも達します。

【生態】
温帯から亜熱帯海域で産卵されるクロマグロの卵の大きさは約1mmほど、
若魚期までは陸棚周辺で生活し、若魚期以降に渡洋回遊をするものもいます。
成長とともに食性は変化しますが、原則として遊泳中に遭遇した餌生物を広く捕食します。
特にカツオ、トビウオ類、イカ類をよく食べます。
群れはほぼ同じ大きさの個体で構成されていて、
仔魚(しぎょ)→ 稚魚(ちぎょ)→ 幼魚(ようぎょ)→ 若魚(わかうお)→ 成魚(せいぎょ)→ 老成魚(ろうせいぎょ)の順に群れを構成します。
群をつくる魚の数は減耗があり、減少していきます。

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幼魚と幼児


【分布】
産卵場が北半球にあるため、北半球を主生息域としていますが、
南半球まで回遊するものも稀にいます。
インド、太平洋と大西洋でそれぞれ亜種(地理的隔離による初期分化)に分けられ、
前者にクロマグロ(Thunnus thynnus orientalis)
後者にニシクロマグロ(Thunnus thynnus thynnus)が適用されます。

【漁業】
大型のものは主として延縄(はえなわ)で、中小型のものは主として巻網(まきあみ)で漁獲されます。
曳縄(ひきなわ)や定置網(ていちあみ)などでも水揚げされています。

【マグロの体の構造とそれぞれの部位の役割】
体の形は速く泳ぐための理想系ともいえる、見事な紡錘型(ぼうすいがた)をしています。
クロマグロは時速80kmを超えるスピードで泳ぐことが観測されています。

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〈第1背ビレ〉
折り畳める形状をしていて、普段は背中のポケットにスッポリ納まっています。
体のバランスを保つためや、スピードを緩めるときのブレーキとして使われます。

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〈第2背ビレ〉
前後に多少、たわめることができます。

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〈小離鰭(しょうりき)〉(または、副鰭(ふくき))
尾ビレ近くの背中側、腹側それぞれに7〜8枚ある三角形のヒレ状の器官で、
1点のみが体についていて、全ての小離鰭を同一方向に動かして向きが変わる仕組みになっています。
水流を整える役目があります。

〈尾ビレ〉
尾ビレの振動で推進力を得ます。

〈尾柄隆起(びへいりゅうき)〉
水平方向に突き出ています。
高速遊泳時にバランスを保ちます。

〈臀ビレ(しりびれ)〉
前後に多少たわめることができます。

〈腹ビレ〉
普段は凹所に折り畳んであり、減速時や方向転換の時に伸展して使用します。

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〈胸ビレ〉
溝にきっちり収納できる構造になっています。
体のバランスを保ち、方向転換の舵(かじ)の役目があります。
曲がる方向側のヒレを広げることが多いです。

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〈胴体・ウロコ〉

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光が当たると青く綺麗に光る背中。

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白銀色の腹


〈松果体窓(しょうかたいそう)〉
頭骨の頭頂部に縦方向に空いている隙間が
第3の眼とも呼ばれている松果体窓(しょうかたいそう)です。
左右の眼の間、頭頂部にあり、光を受けるための頭骨にあいた窓で
太陽光を取り入れ脳下垂体(のうかすいたい)を刺激し、
季節の変化などを感じ、長期的に魚の生理リズムを促進すると考えられています。
松果体窓(しょうかたいそう)は普段は透明の軟骨に覆われていて
光を通すことができます。

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〈骨格〉
クロマグロの巨大な体を支持するために頑丈にできています。

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特に頭骨は巨大かつ硬くできています。
松果体窓(しょうかたいそう)のすぐ後方には
ろ頂骨孔(ろちょうこつこう)という二つの穴では、
水圧の変化を感じ取ることができます。

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クロマグロの眼

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口を開けると、グレイの舌、無数に並ぶ細かく尖った歯

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生のクロマグロのブロック

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着色、色調整などはもちろん無しの
この自然で鮮やかな赤色に魅了されてします。

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骨の後が綺麗に残っているのは解体技術が素晴らしい証。

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この生肉の塊は、さまざまな生き物を興奮させるでしょう。

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世の中には、赤くて美味しい食べ物がたくさんありますが、
その代表格がこのマグロの赤身ではないでしょうか?

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どうしても自然光の下で撮影したくて、
真冬に野外持ち出しで撮影した生クロマグロの赤身肉

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いつまでも見ていられる美しさ。

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でも早く冷蔵庫に戻したいもどかしさ。

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皮目の色、血合い、筋までもが芸術作品の一部。

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皮の表面に、鱗(ウロコ)が斜めにビッシリと並びくっついているのがわかる断面。

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許されるなら、頬擦りしてみたい。

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許されるなら、このまま外でずっと一緒に遊んでいたい。

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そろそろ冷蔵庫に戻さなければ、すべてがダメになってしまう時間だ。

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その前に、最後に、お願いだから最後に、断面だけ見せてくれないか。

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君はそんなに澄んでいて

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透明感とは何たるかを教えてくれた。

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一輪一輪が君との思い出、

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僕から離れても、みんなの中で幸せに輝いてね。


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生クロマグロの刺身


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forever

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クロマグロの赤身握り寿司

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クロマグロの赤身握り寿司

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クロマグロの中トロ握り寿司

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クロマグロの中トロ握り寿司

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クロマグロの中トロ握り寿司

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クロマグロの大トロ握り寿司

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クロマグロの大トロ握り寿司

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クロマグロの大トロ握り寿司

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クロマグロ大トロ炙りの握り寿司

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クロマグロの赤身、中トロ、大トロ握り寿司

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クロマグロの赤身、中トロ、大トロ握り寿司

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クロマグロの赤身、中トロ、大トロ握り寿司

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クロマグロの赤身、中トロ、大トロ握りずし丼

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マグロの切り身をのせるだけでなく、
握りずしも盛り付けてしまうのが
すし丼です。

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先生教えてください。
『大トロ 中トロ はあって、なんで小トロは無いの?』 小3次男より

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