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くろめ・クロメ・Ecklonia kurome

[料理海藻]

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【分類】
褐藻綱
コンブ目
コンブ科(カジメ科)
カジメ属
クロメ

コンブ目ってことは、
可能性しかない海藻のはず。
海中で見たクロメの子どもは
もうすでに存在感に溢れていた。

【環境】
潮下帯

【大きさ】
1〜2m

【特徴】
写真はまだ若い1歳ほどのクロメです。
1年目は中央葉だけができ、その後に側葉が伸びます。
ツルアラメよりも波あたりの弱い場所に着生します。
葉はやや厚みがあり、ツルアラメとほとんど同じ形状をしています。
ツルアラメは、根の先から新しい葉が出ることが特徴です。
根の形状は、ツルアラメは太い根から急に細い根がでるのに対して、
クロメはほぼ同じ太さで分岐しながら細くなっていきます。

【採集時期】
1〜5月

【採集場所】
波当たりの強い潮下帯

【販売形態】
能登では、1月〜5月に丸のまま、もしくは細かく刻んで売られています。
細かく刻んだ乾燥ものは通年売られています。

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体は茎と膜質の葉部からなり、葉部から数本の側葉が伸びます。

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カジメによく似ていますが、少し小さく、
葉部全体に凹凸のシワがあること、
葉部の中央は厚くならないことなどで見分けられます。
ただし、形態には変異が多く、カジメとの中間的個体もあります。

また、石川県の輪島では『ツルアラメ』、珠洲では『カジメ』と呼ばれたりするので
わけわからなくなっちゃいますよね^^;

これまでの食べ方だと、汁の具や佃煮にして食されてきていますので
またクロメが手に入ったら、色々な料理を考えてみたいと思います。
大分県佐賀関では、新芽をみじん切りにして味をつけて食用にしています。
ちなみに生で食べるとエグみが強めなので、口の中がキシキシします。

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2,3分茹でてもヘタレないほど、この写真のようにしっかりしていて
色もうっすら緑色に変わところもありますが、ほぼ変わりません。

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この凹凸がとても美しいです。

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おそらく規則性は無さそうですが、暗号のようなデザイン。

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太陽にかざすとまた綺麗です。

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先端部を何モノかにかじられていますね。アワビやサザエでしょうか。

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凹凸を近くで観察すると、まるで新しい星に辿り着いた気持ちになります。

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この穴もまた何かに開けられたようですね。

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茎状部はまだ成長初期のためここまで。

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仮根でしっかりと付着しています。

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クロメはコンブの仲間なので、したたる水分がどうしても出汁(だし)に見えてしまいます。

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この仮根で岩などに踏ん張っていることを考えると

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動物の足のようにも見えてきますね。

生のまま食べるとちょっとエグミのあるクロメは、
刻んでサッと茹でることで、そのエグミが消えて、
独特の噛み応えのある食感になります。
2分以上しっかりめに茹でても溶けず、
少しヌメりを感じやすくなり、食感としては『シャキシャキぬるぬる』系です。
能登ではツルアラメと区別せずに食べられています。


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【クロメの白和え】

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豆腐やお味噌、チーズなどを練り合わせた白和えとの相性が良かったです。

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【クロメのトマトスープ】
アクを取るために良く茹でても、しっかりと存在感が残るクロメは、様々なスープものでも個性を出せると思います。