ブログ

こぶだい・コブダイ・瘤鯛・Semicossyphus reticulatus

[すし・sushi料理海の生き物]

IMG_7675.jpeg

動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
棘鰭上目 Acanthopterygii
スズキ目 Perciformes
ベラ亜目 Labroidei
ベラ科 Labridae
タキベラ亜科 Bodianinae
コブダイ属 Semicossyphus
コブダイ Semicossyphus.reticulatus

kbk24.jpg

コブダイと名前がついていますが鯛(タイ)の一種ではなく、ベラの一種です。

kbk27.jpg

日本南部の太平洋、日本海、東シナ海、南シナ海に分布しています。

kbk28.jpg

雄は体長80cm、大きいもので1mを越えます。
体色は茶色や黒、白色などが入った赤色です。

コブダイは『雌性先熟(しせいせんじゅく)』で、
生まれたときから、子供の頃はみんなメスで、卵を産みます。
50cmを超えるとコブが張り出してきて、オスに性転換します。

kbk23.jpg

名前の由来である頭部の上下は、大きな瘤(コブ)状に膨れあがっています。
メスは『カンダイ』と呼ばれ、雄に比べて遙かに小さいために、

IMG_1200.jpeg

かつては別な種類の魚だとさえ思われていました。

IMG_12kk01.jpg

雄のように頭部が異様な形にはならず、体長も大きくても雄の半分ほどにしかなりません。
写真のようなコブの小さめな時期は、メスのコブダイです。

kbk37.jpg

口には貝類を砕くために大きく硬い歯と強力な顎(アゴ)があります。
サザエやカキ、カニなどをかみ砕き、
喉の奥の咽頭歯で更に砕いて中の肉を殻ごと食べてしまいます。

IMG_kk1202.jpg

繁殖は雄と雌が海上付近で体をくねらせながら産卵、受精します。

kbk30.jpg

幼魚は体色がオレンジ色で上下の鰭が黒く、白い線が体の横に入り、成魚とは大きく異なります。

kbk33.jpg

kbk38.jpg

kbk42.jpg

kbk43.jpg

kbk49.jpg

コブダイは、ハレムを作る魚として有名です。
オスは自分のテリトリーを主張し、
そこに入ってきた他のオスを攻撃して、
縄張りを確保しながら、複数のメスを呼び寄せる性質を持っています。

IMG_7479.jpeg

オスは、基本的には温厚な性格ですが、繁殖期には、メスをめぐって戦います。
噛み付き合ったりなど、特に攻撃はすることなく、
口やコブの大きさを見せつけあって勝負します。
大きい方が勝ち。
負けたほうは、しずかに泳ぎ去っていきます。

幼魚には勿論、手を出さず幼魚はそうして成魚に守られながら成長し、学習していきます。

IMG_kk1204.jpg

コブダイは暖海性ですが、死滅回遊魚でもあり、
黒潮に乗って、北海道付近にまで北上することもあります。

IMG_kk1205.jpg
寿命は20歳前後です。

IMG_7472.jpeg

ぷにぷにした大きなコブは、脂肪の塊で
長く生き抜いてきた証でもあります。
コブが大きいということは、それだけの経験値があるということを
示し合うのだと思います。

IMG_7474.jpeg

IMG_7482.jpeg
白身魚としての味は濃厚で、
ダジャレのつもりで、『コブダイの昆布締め』をしてみたら、
旨味の相乗効果もあって、抜群に美味しくなります!

IMG_12kobu31.jpg
コブダイのカブト焼き

kobuIMG_6486.jpg
コブダイの絵 / おかだゆい(6才)