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マッチ・燐寸・match

[記録]

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【マッチの歴史】
軸木につけた頭薬を摩擦することによって発火する用具です。
1827年イギリスのストックトン・オン・テースに住む薬剤師ウォーカー(John Walker)が
塩素酸カリウム、三硫化アンチモン、澱粉、アラビアゴムを頭薬とする摩擦マッチを作りました。
ヨーロッパの各地で製造販売されましたが火付は良くなかったようです。
1831年フランスのソーリア(Charles Sauria)は
黄燐を頭薬とするマッチを作り、またたくまにヨーロッパ中で作られるようになりました。
1845年オーストリアのシュレッター(A.von Schrotter)によって初めて赤燐が得られ、
スウェーデンのパッシュ(Gustat pasch)、
フランクフルトのボットガー(B.Bottger)等が
側薬に赤燐を使い、発火部を頭薬と側薬に分離した安全マッチが出現しました。
これによって、スウェーデンはマッチ工業で世界首位の国となりました。

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日本のマッチは、
フランスに留学した清水誠が1876年東京で安全マッチを製造したのに始まります。
早くも翌年からは輸出するまでになったそうです。
その後好立地の阪神地区を中心に、低賃金婦女子労働に依存し一大輸出産業となり、
中国インド市場を制覇しました。
大正初年には生産量の80%(生糸、お茶、銅と並ぶ輸出産業)が輸出され、
スウェーデン、アメリカと並び世界の三大マッチ生産国となりました。


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【マッチの製造】
1.軸木の製造
軸木用材である白楊、アスペン、サワグルミなどの原木を長さ約42cmに切断し、
軸木の太さと同じ厚さにベニヤ状にむき、同じ太さに刻み、2.2mm角、長さ5cmの軸木を作る。
軸木が燃える際燃えかすが落ちないように軸木を炭化させるため、
リン酸アンモニアを浸透させるインプル加工を施す。
これを乾燥させて軸木とする。

2.頭薬混和
酸化剤である塩素酸カリウムに可燃剤を加え、にかわで混和し、泥状の薬泥を作る。
この薬泥に染料、顔料等を加えることによって薬頭を自由に着色できる。

3.頭付軸木
この工程は、そろえた軸木と薬泥を連続自動マッチ製造機に供給することによってできる。
すなわち軸木はコンベヤ式プレートに自動的に立て並べられ、
パラフィン浸透(炎が頭薬から軸木に燃え移りやすくするため、
溶融されたパラフィンを約12mm浸透させる)、頭薬浸点、乾燥し、頭付軸木となる。

4.製箱
商標や広告店名が印刷されている原紙を1箱の大きさに裁断し、
製箱機で引出しも装入され、マッチ箱となる。

5.側薬混和
発火剤である赤リンに助剤として硫化アンチモンを加え膠着剤で混和する。

6.箱詰仕上げ
頭付軸木とマッチ箱を箱詰機に装てんし決められた本数の箱詰めがなされる。
次に側薬が自動的に回転するブラシで塗布されヒーターで乾燥し、
内包装、中包装、外包装をして出荷できる製品となる。

【安全マッチの組成例】(成分・重量比)
〈頭薬〉
塩素酸カリウム・50%
硝子粉・20%
珪藻土・7%
雲母粉・4%
松脂・2%
にかわ・13%
その他・4%

〈側薬〉
赤燐・54%
硫化アンチモン・19%
膠着剤・27%

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【兼松日産農林株式会社】
兵庫県淡路市生穂1575
http://www.matchclub.net
日本製

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マッチの練習

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