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すっぽん・スッポン・鼈・Pelodiscus sinensis

[料理生き物]

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カメ目スッポン科キョクトウスッポン属ニホンスッポン

【スッポンのさばき方】です。
※解体画像が苦手な方はご覧にならないでください。

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東京駅八重洲 うなぎ はし本の4代目 橋本正平さんの
スッポンのさばき方。
じっくり見せてくださいました!

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スッポンの尻尾側から体を手で挟む感じでもつと
首がだら〜〜んと出てきます。

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ぐい〜〜んと伸びてきたこのタイミングで サッッ!!

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目に見えないほどのスピードで首を掴み、甲羅をまな板側にスタン。置きます。
いつのまにか掴まれて、気がついたら倒されていた。
まさに柔道で一本が決まったあの瞬間を彷彿とさせます。

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全力で抵抗してくるスッポンの首の付け根、

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人間で例えると、うなじの下辺り。
首の骨が終わる、端の部分から刃を入れて首を落とします。

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鮮烈な色彩の生き血が取れました。
血液が固まらないようにお酒を入れて掻き混ぜておきます。

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喉元にある山型の骨に沿ってV字に切り込みを入れて、

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首と頭を切り離します。

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次に、甲羅を外すために、
頭側の甲羅の脇の柔らかい部分から刃を入れて

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尻尾の方に向かって切っていきます。

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尻尾の上辺りも同じように切っていき、

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逆サイドに切り込んでいきます。

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くるりと一周しました。

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この時点で、身と甲羅が繋がっている部分などあれば
サッと切り離します。

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パカっという具合に甲羅が外れました。

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指を指しているこの部分と

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この部分に切れ目を入れ、

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反対側も同じ部分に切れ目を入れます。

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このタイミングで内臓をパーツ分けしていきます。

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食べられる部分と食べられない部分については
別途後日まとめます。

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手足の付け根のお肉を甲羅から剥がすように切ります。

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手足合計4本それぞれの爪の部分を落とします。

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黄色く丸いのは、スッポンの卵です。

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部位別に分けたそれぞれを軽く水洗いして汚れを落とします。

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沸騰したお湯に一つずつ入れて10秒から20秒ほどで上げます。

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ホカホカ熱々のうちに、薄皮を剥いていきます。
剥く前と、後では、その違いが歴然ですね。

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こちらが剥いた薄皮。
デザインもGood.
夏に日焼けして剥けたあの皮膚と同じようなイメージです。

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腹側の薄皮も剥きます。

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冷めると薄皮が剥きにくくなるので
みんなで集中して剥き剥きタイム突入です。

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スッポンの解体取材撮影をしにきたはずの魚譜画家の長嶋祐成さん
いつの間にか参戦。

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手足の薄皮も剥いていきます。

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さて、2尾目のスッポンは僕がやりますー!

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この反り返り。
こちらを見てます。

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と、次の瞬間ギュッ!!
と首を掴んで、一発でキメました。

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首の付け根に刃を入れる時はどうしても『ごめん!』とか
『ありがとう!』と言葉が出てしまいます。

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ちなみに、もつ位置は合っていますが、スッポンが仰向けになるようにもたないと顔が伸びてきますよーー。。

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こんなに伸びますからね。。

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料理は楽しく!とは言いますが、
こればかりは、楽しみながらやらず、
気を引き締めて、注意力を高めて気持ちを集中して
命対命で向き合ってください。
どんな持ち方をしていても、油断しているといつの間にか首が伸びてきて
噛み付かれますよ。
この写真なんか、ほぼ噛まれてます^^;

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関節に刃が入りました。
それは、感覚でわかります。

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見守ってくださる橋本さん。

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スッポンの動きが止まりました。

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生き血はこのタイミングでとります。

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スッポンの生き血
器:花岡央さん

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続いて、甲羅はずし。

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パカっと。

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部位別に解体していきます。

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こちらは、オスの性器。

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この構造の謎などは、今度機会を作って勉強したいところですね。
ご存知の方はいつでもinfo@sumeshiya.comまでご連絡くださいませ!

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甲羅

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内臓類

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内臓以外の全てを茹でて、薄皮を剥き、下処理が済んだスッポンを
お鍋に入れていきます。

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キノコ類、野菜類をかぶせて、内臓をのせて、

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甲羅で蓋をして弱火にかけ、じっくりと出汁をとりながら
素材に火を入れていきます。

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でーきまーしたー!

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スッポンの生き血で乾杯。
皆で大切にいただきました。
すっきりとした鉄分の味が口から喉にかけて広がります。

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こちらはスッポンのモモ肉。
ぴょんと飛び出しているのは足の骨。

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見た目は、何かのお肉。
味は、鶏肉の味を濃厚にしたような。

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スッポンの雑炊は悶絶のあじわい。

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甲羅を器にスッポン雑炊をいただくのもまた格別です。

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甲羅のフチなどのゼラチン質の部分。
ぬっちぬち、トゥルトゥルしていて美味しいなあ。

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甲羅内側の硬い骨部分にビッチリついたそれらも美味しくいただきます。
若い頃にスッポンを食べた時は、
量も少しだったせいか、あまり記憶に刻まれていませんでしたが、
今回のスッポンの味は完全に記憶に刻まれました。

スッポンの味。
ニッポンの味の一つですね。
機会がなければ、一生食べない方も多い食材の一つです。
もし、食べて見たい方は4名さま以上からとなりますが、
いつでもご相談ください。


以下
ここからは、スッポンの写真集です。
生き物のデザインや構造にご興味がある方向けです。

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