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山焼きの赤かぶ

[青果]

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新潟県 村上市 山北(さんぽく)地区に来ました。
この地区で盛んな林業と農業の融合で生まれた
伝統の焼畑農法(やきはたのうほう)による【山焼きの赤かぶ】です。

新潟県の最北、山形県との県境に位置する山北。
山の名前としては珍しい『日本国(にほんこく)』という名前の山がある地区です。

農地は少なく、ほとんどが山林です。
昔から林業を生業として生計を立てるお家が多く、
農業と林業が深く関わりを持ってこられたそうです。

5月末頃から8月上旬まで、共同で山焼きの準備作業(ナギノ)を行います。
杉の伐採跡地に残された杉の葉や枝、草などをよく乾燥させて
きれいに焼くためです。

山焼きは、8月上旬、気温35度以上にもなる暑い時に行われます。
山焼きの日は、天候、風向き等に細心の注意を払い、長の方が山の上に行き、お神酒を供え、無事に終えることを祈り、山焼き(火入れ)を行います。
万全を期して大勢の仲間たちで火の番をします。

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そんなところに立って大丈夫なんですか!!??

昔は夜に火入れをしていましたが、現在は夕暮れ前に火入れをします。
明るいうちに火入れをしないのは、火の場所が確認しづらいためです。
暗ければ、火のある場所はすぐにわかるからです。

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徐々に火は下の方に下がり、面積にもよりますが約4時間〜10時間位で山全体は灰に覆われ、山焼きが終わります。

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4〜5月には、昨年取り残した赤かぶの黄色い花が山を覆い、
そこから採取した小さな種をお盆過ぎに蒔きます。


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赤かぶの収穫は10〜12月。
積もるほどの雪が降ったら終了です。

現在では全国的にも珍しくなった伝統的な焼畑農法により、
田畑や土手を焼くのではなく、杉の伐採跡地を焼き(いわゆる『山焼き』)、
赤かぶを栽培されています。
このようにしてできた赤かぶだけを
『新潟山北産 山焼きの赤かぶ』と呼ぶことができます。
山北地区の焼畑では、以前は地拵え(ぢごしらえ)のために山焼きをし、
再び杉苗を植え、杉が大きくなるまでの数年間、赤かぶ、大根、ごぼう、じゃがいも、あずき、そばなど多くの野菜を栽培していたそうです。
平地の少ない山間地域における知恵ですね。
今ではほとんど1〜2年限りで赤かぶや大根を栽培しているそうです。

外は赤紫で中は白。

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こちらは塩水で浅漬けにした山焼きの赤かぶです。

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酢を入れることによって全体が赤紫に染まります。

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