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アイスランドラム・ICELANDIC LAMB

[お肉]

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【アイスランド共和国】
870年〜930年頃 バイキング,アイスランド植民
1944年独立 /EU非加盟 / 人口約33万人
2016年 日・アイスランド外交関係開設60周年

9〜10世紀頃、アイスランドの開拓と同じ時期に始められた牧羊は
現在、アイスランドの文化遺産になっています。
羊飼いは、何世紀にもわたる伝統から確率された方法で羊を育てており、
ほとんどの農家は家族経営です。
アイスランドでは、2,000件ほどの農家さんが牧羊に従事しており、
広大な土地で低密度の飼育をしています。

バイキングの移民者が島に持ち込んだ羊の直系子孫の原種である
『アイスランディック・シープ』は、昔はヨーロッパ北西部で一般的に生息していた
蓄種の一種ですが、現在は世界中でも限られた地域にしか生息していません。
アイスランドの環境に順応した、丈夫で寒さに強い、
他の蓄種との交雑が行われていない希少種の純血種です。

5月に生まれた仔羊は、数週間後には山で放し飼い(Free Range (フリーレンジ))され、
自由に走り回りながら栄養価の高い野生植物を食べて秋まで育ちます。

秋(9月・10月)になると羊飼い達は馬に乗り、牧羊犬を連れて羊の駆り集めに出かけます。
彼らは山の至る所に建てられている山小屋に宿泊しながら
1週間ほどかけて羊を集めて回ります。
耳標(じひょう)で飼い主を識別し、羊を仕分けしながら囲いに入れます。
イベント最終日の夜には羊飼い以外の人々も集まり、盛大な祝賀会が催されます。
これはアイスランド人が大切にしている伝統行事です。

広々とした野生の牧草地を自由に動き回り、美しい山地で育った羊は、
屠畜時の月齢は4〜5ヶ月と若く、平均枝肉重量は約16kgです。
ラム肉には、オメガスリー脂肪酸と鉄分が多く含まれており、
羊が食べる野生の牧草やアロマティックで薬味のきいたハーブにより
独特の風味がします。
とても柔らかく、きめの細かいお肉です。
スゲ、ヤナギ、ハマカンザシ、シレネ アカウリス、ベリー類など、
野生の植物を食べているため、アイスランド・ラムには上品な味わいがあります。
お肉の味わいは濃厚で、後味がさっぱりという印象でした。

成長ホルモン剤の使用は禁止されており、抗生物質の使用は厳しく規制されています。
寒冷な気候、澄んだ空気、きれいで豊かな山水は、
疫病や害虫から国土を保護しているため、殺虫剤と除草剤の使用は不要です。
アイスランドは地理的に、他の国から離れた孤島であり、
生きた動物の輸入を禁止しているため、
他国で発生している動物の病気がアイスランドでは発生していません。

アイスランドは、ラム肉を日本にほとんど輸出しておらず、
日本のラム肉 総輸入量の約1%です。