ブログ

たてじまきんちゃくだい・タテジマキンチャクダイ・Pomacanthus imperator

[スクーバ・ダイビング海の生き物]

動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
スズキ目 Perciformes
スズキ亜目 Percoidei
キンチャクダイ科 Pomacanthidae
サザナミヤッコ属 Pomacanthus
タテジマキンチャクダイ Pomacanthus. imperator

英語では『Emperor angelfish(エンペラー・エンジェルフィッシュ)』と呼ばれています。

幼魚と成魚とでは、まるで別種のように
成長とともに色彩や模様が違いますが、食性は同じです。
幼魚は濃紺の体に白い同心円状の模様が入っています。
(模様の入り方が渦巻のように見えるため「ウズマキ」と呼ばれます。)

成魚は青地に多くの黄色い縦縞が入っています。
名前の由来は頭を上にするとタテジマになるからです。
ちなみに【魚類の縦縞(タテジマ)と横縞(ヨコシマ)】について
魚の頭を上にした状態
線が縦に入っているか、横に入っているかで
呼称が定められています。

なので、タテジマキンチャクダイは、横縞ではありません。
通称『タテキン』と呼ばれています。
模様が変わる途中のものは『ウズキン』と呼ばれています。

ヤッコの仲間は、自分の縄張りから配偶者以外の成魚を追い出します。
(幼魚同士でも縄張り意識があり争うこともあります。基本的に幼魚は単独でいます。)

幼魚は、成魚と違った模様を持つことによって縄張りに入っても攻撃されません。
(模様をかえることで成魚に対しライバルでないことを表しています。)
幼魚は、成長してウズマキ模様の奥からシマシマ模様が浮き出始めるとライバルとみなされ、攻撃を受けるようになります。
このような習性のため、成魚は群れはつくらずにペアー、又は単独で行動します。

エラの下には、成魚・幼魚ともに鋭いトゲがあります。
これはキンチャクダイ科の特徴でもあり、この種類には必ず1対あります。
オスと思われる個体には2対あり2対の内1対は短めです。

食性は雑食性で、主にカイメン類やホヤ類などの動物質のほか、
海藻などの植物質のものを主食としています。
このほか、プランクトンやサンゴのポリプなども口にします。

キンチャクダイ科の多くは成魚と幼魚とでまったく違う模様を持ちます。
成魚と違った模様を持つことによって縄張りに入っても攻撃されない、
これも理由の一つとされていますが、
模様の違いには他にもいろいろな説があります。
毒をもつウミウシなどに姿を似せることで、敵に狙われにくくするという説。
(多くの魚は青系の色のものを襲わない。毒を持っているサインと言う色のため魚は避けると言われているため、
多くのウミウシは青系のものが多いです。)

チョウチョウウオ科の幼魚には尻尾のほうに敵を惑わすため
目玉のような目立つ黒点がありますが、実はこれと同じ理由でこのような模様を持ちます。
(良く見ると、「タテキン」の幼魚渦巻き模様の中心は目にも見えます。)

幼魚は襲われないように細い海藻やヤギ、枝サンゴに似せた模様をしている。
(枝サンゴの間やヤギの近くで見られることが多いです。)

良く似た種として、【サザナミヤッコ】がいます。
しかし、いずれも幼魚期までであり、成魚はどちらも独特の模様です。
2cmまでの個体はサザナミヤッコの幼魚と似ているため
区別が難しいですが、
サザナミヤッコの幼魚には、吻端から背中に白線縦線がありますが
タテジマキンチャクダイにはそれがないです。

太平洋(イースター島を除く)、インド洋、相模湾以南に分布していて
潮溜まりや浅い岩場の沿岸などで見かけることができます。
キンチャクダイ科では最も生息範囲が広い種の1つです。
そのため、地域により個体差があり「太平洋型」と「インド洋型」に分けられています。
日本などで見られる「太平洋型」は背びれ後方の軟条部が長く伸びます。
インド洋などで見られる「インド洋型」は背びれ後方の軟条部が長く伸びることはなく丸いです。

主に外海の岩壁の穴や割れ目などで観察されます。
本州で見られるのは黒潮に乗って流れ着いた幼魚のほうで、成魚はめったに見られません。
ほかのチョウチョウウオなどの南方系の魚と同じ死滅回遊魚であり、
水温が急に下がる1月ごろから死んでしまうため、見られなくなります。
沖縄などでは普通種であり、サンゴの根や割れ目など狭いところを好みます。

本州の伊豆半島から西日本の太平洋側では夏ごろから12月まで稚魚や幼魚が採種されます。

近藤滋氏によって実験に使われた魚です。
1995年に生物の斑紋を数学的に証明した『チューリング・パターン』を
実験的に確かめることが出来た魚として知られています。
観賞用の熱帯魚として人気が高い魚でもあります。
毎年、タテジマキンチャクダイは、さまざまなサイズが入荷されています。
サザナミヤッコとタテジマキンチャクは最もポピュラーな魚です。
飼育された個体も野生種と同様模様の変化を観察できます。
このためか成魚より幼魚・稚魚のほうが人気があり、入荷量も多い傾向があります。
成魚はサイズが大きい上、餌付けにくかったり、水槽環境に慣れにくいなど難しいです。
また、購入後大きなビニール袋にパックされますが、
大型の個体になると多くの海水とともにパックされるので、
それなりに容量も大きくなり、持ち帰る時(車であれば問題ないが)や
導入時(魚が暴れるとかなり力がある。それに、大型個体は重い。)も大変です。
そのため、意外と大型の個体は種類問わず、売れ残ることも多いです。
幼魚は成魚にくらべ、易しいほうであり、状態や個体により、飼育しやすくなります。
しかし、水質には敏感でこまめな水換え、観察が必要です。
スクーバダイバーにも人気があり、
特に夏期、黒潮に乗って伊豆半島や紀伊半島で現れる稚魚は人気があります。
水温が高いためか12月まで見られます。
が、チョウチョウウオに比べ見られる確率は低いです。
また、主に本州で見られるのは幼魚のほうで、成魚はめったに見られません。
自家採集家にも人気があり、
本州の伊豆半島から西日本の太平洋側では夏ごろから12月まで稚魚や幼魚が採種されます。
チョウチョウウオが主に多いですがまれに捕まえられることがあります。
鈴木香里武さんだったらすぐでしょうね!
稚魚はおもに外海に近い又は、つながっているタイドプールなどにいる場合が多いです。
幼魚は外海の岩壁などにいます。
沖縄では漁港でも見られます。
磯や漁港ではたまに釣れますが、食用にはならない為捨てられたり、リリースされたりします。
警戒心が強いので、すぐ隠れてしまいます。
採集家の間では、チョウチョウウオとともに
『磯のアイドル』・『海のアイドル』と呼ばれています。
沖縄など南日本では成魚も採取できます。
採集できるシーズンは本州では6月〜12月、沖縄では1年中です。
採種には2本のタモ網、釣り具、竿、投げ網などが挙げられますが
地域により使用禁止の漁具もあるので注意が必要です。