寿司・酢飯屋

〈石川県〉魚道を極める『マダラ』 presented by 【Fのさかな × のと島クラシカタ研究所】 ~海にまつわる社会科体験学~

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【魚道を極める】
2022年2月のテーマ魚は『マダラ』です。
今回も講師をつとめさせていただきます寿司作家 岡田大介です。
能登の漁師の祭り 起舟御膳を一緒に食べましょう!

【日時】
2022年2月23日(水祝)

【場所】
石川県七尾市 能登島

当日の詳細、お申し込みは
のとじま まあそいホームページからどうぞ。
https://tinyurl.com/yckymekn

以下、当日の様子です

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今回の魚道の会場はこちら!

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【島の宿 えのめ荘】さんです。

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こちらが、「えのめ荘」の名物女将 加地美紀さん
明るくて、本当に面白い方なんです!

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冬の能登ということでテーマは『マダラ』です。

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まずは座学にて、マダラとはどんな魚なのかを【Fのさかな】をテキストにして
皆で勉強していきます。

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マダラ釣りの時の様子や、マダラの生活史、食文化など
知ってから魚に触れる、知ってから魚を食べることを大切にしています。

こちらの動画は北海道 釧路にてマダラを釣った時の様子です。

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座学の後は、本物のマダラの観察タイムです。

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マダラ模様

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マダラの口

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マダラの舌と歯

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観察を終えた後は、マダラと記念撮影です。
口の中には、鋭利な細かい歯がたくさんあるため
手を入れるとズタボロになってしまいます。
そして、ヌメリが多く、やわらかい魚なので
このように持つのが難しい魚です。

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大きなバットに寝かせての記念撮影

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ここからは、マダラを解体していきます。
マダラのウロコは、包丁で簡単にとることができます。
ヌメリとともにしっかりと取り除きましょう。

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前回の魚道(ブリ)と同様に、
内臓を綺麗に取り出すには、腹を真上に向けて

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内臓を沈めてから、逆さ包丁で肛門から押し開くと

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内臓を傷つけずに腹を開くことができます。

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お腹いっぱいに入ったマダラの内臓が綺麗に見えました。

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肝臓に寄生虫のアニサキスが確認できますね。

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すべての内臓を傷つけないように、
ここからは、解体ではなく、解剖シーンになります。
苦手な方は見ないでください。

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あそこにも米粒サイズの寄生虫がいますね。

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ニベリニアですね。

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魚の美味しくて美しい部分ばかりを見るのではなく、
こういう部分も見たり、知ることで、食に対しての教養も深まり
安全な食とは何かについても学ぶことができるので
食べるだけでなく、知ることも強くオススメしています。

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解体したマダラの身と中骨や尾

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鮮度の良いマダラでしたので身がブルンブルンです。

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マダラの尾ビレ

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マダラの背ビレ、臀ビレなどの粗(あら)

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マダラの中骨は全て関節で切り、汁物などで脊髄が溶けやすいようにしておきます。

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マダラの内臓類
たっぷりの白子が入っていましたので、この個体はオスです。

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マダラの肝臓

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マダラの肝臓を一口大に切り、その場で甘辛くサッと茹でて出してくださいました。
ふわふわトロトロ旨味濃厚。まさにフォアグラ。

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マダラの胃袋
韓国発祥の珍味「チャンジャ」の原料となる部分です。

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開いてしっかり洗って、沸騰したお湯で数分茹でて刻んで
【タラの胃袋のネギ味噌和え】

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こちらは、マダラの胃袋の中で半分消化されていたイカの赤ちゃん

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マダラの幽門水(ゆうもんすい)

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細長いものはマダラの腸

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マダラの心臓

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マダラの胆嚢(手前)とマダラの脾臓(奥)

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マダラの脾臓(ひぞう)

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マダラの腎臓

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マダラのエラ蓋

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マダラの脳

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マダラのアゴ

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マダラのヒゲ

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マダラの皮

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マダラの耳石(じせき)

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マダラの精巣(通称:白子(しらこ))

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美味しい部分ですが、このヒダヒダの隙間にも寄生虫がいることが多々ありますので
しっかりと洗うことと、熱湯での下処理は大切です。

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一口大に切り分けた白子を熱湯で十数秒茹でて半生状で氷水で冷やし込み
水気をとっているところ

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マダラの白子ポン酢

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こちらはマダラのメスのお腹に入っていた卵

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(通称:タラコ)

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「マダラの子付け」用に茹でて甘塩っぱく炒ったマダラの卵

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能登島の「えのめ荘」さんでは3本箸で混ぜていました。
黒いのは卵の皮です。

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マダラの切り身を準備します。

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生の身に卵を付ける場合と、身を昆布締めしてから卵を付けるパターンがあります。

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生マダラの子付け

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夜の宴会用に盛り付けていきます。

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寄生虫チェックも完了
生マダラのお刺身も一緒に

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タラコと大根の酢の物

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その他のパーツです。

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マダラの腹身
脂も無く、骨もなく、柔らかくて、ふわふわ食感で美味しい部分です。

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マダラのカマ

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カマは「鎌(かま)」の形をしているからカマと名付けられています。

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カマ筋(カマの内側の筋肉です)

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まだまだ色々なパーツがあります。

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マダラの鰾(ひょう)
(通称:浮き袋)

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マダラのエラ

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エラをしっかり洗い、真水に浸けて血抜きをして
水が汚れてきたら、新しい水に変えてを5,6度繰り返します。

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マダラのエラは柔らかいので食べることができます。

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様々な内臓類や粗(あら)とともにエラも汁物にしていきます。

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【マダラのおぼろ】

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〈作り方〉
マダラの骨を抜き、皮を引いた身を沸騰したお湯で5分ほど茹でます。
タラに火が通ったら、ザルに上げ、身を布巾で包み、少し冷ましたら
手で揉んで身を細かくほぐします。
鍋に入れたら、砂糖と塩とみりんを適宜入れて弱火にかけて
水気がなくなるまで炒ります。
パサパサと細かくほぐれてきたら完成です。

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石川県七尾市 能登島の郷土寿司
【タラのでんぶ寿司】を作っていきます。
材料は先ほどのタラのでんぶと酢飯のみ。

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道具は「押し型」です。

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今回、この【タラのでんぶ寿司】を教えてくれるのは6才の田口千代ちゃん先生です。
小さな頃からママのお手伝いでしてきたので、人に教えられるほどなんです。

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まずは、押し型を水に浸けてしっかりと水分を含ませてから
水気を拭き、お米が付きづらい湿度に準備します。

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酢飯を8分目ほどまで詰めます。

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酢飯の上にタラのおぼろをたっぷりとのせて

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準備完了です。

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上から押して、

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押し抜きます。

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とっても綺麗に抜けました!すごい!

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器に盛り付けていきます。

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ママとの共同作業

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一度使った押し型の水分が乾いてきていたら、また改めて濡らして
水気を拭きとり使用します。

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完成した【タラのでんぶ寿司】

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おいしそう!!

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こちらのでんぶ寿司は、タラでんぶたっぷりです!

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郷土寿司プロジェクトとしても、貴重な記録になります。

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自家製でんぶを作れば、甘さや塩加減をお好みで調整できますので
想像を超える美味しさの「でんぶ」ができますよ。

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みんなでタラの仕込みなどをしている間に
漁師の祭り『起舟御膳』の準備をしてくれた千代ちゃん
デキるお子様です!

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マダラのフライも揚がってきました。

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もう、お腹ぺこぺこだ。
美味しそうすぎる。。

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マダラづくしの御膳の準備が整いました。
それでは、乾杯!  

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いただきます!

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マダラの薄塩漬け焼き

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これが絶妙な塩加減で

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すごい、美味しかった。

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お酒にも合いますが、朝ごはんでも食べたい美味しさ。

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今回の能登の日本酒はこちら!
左:石川県珠洲市 宗玄酒造さんの本醸造 原酒「宗玄(そうげん)」
中:石川県輪島市 清水酒造さんの純米酒 能登誉 「千枚田(せんまいだ)」
右:石川県珠洲市 櫻田酒造さんの特別純米 無濾過「大慶(だいけい)」

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【マダラの白子の天ぷら】

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マダラのエラや内臓がたっぷり入った【マダラのあら汁】

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マダラのエラは、トゥルコリプルッとしていて本当に美味しいです。

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マダラの幽門水も、物凄くしっかりと洗って、
沸騰したお湯で15分くらい茹でてからあら汁に入れました。
幽門水独特のこの食感がたまりません。

こうして、マダラ三昧な宴会は夜遅くまで盛り上がり
マダラと長く触れ合った1日が終わりました。

さらにさらに詳しい、マニアックマダラ情報については、こちらからどうぞ。
http://www.sumeshiya.com/blog/2016/02/post-93.html


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会場の「えのめ荘」さんは旅館ですので、お風呂に入ってそのままおやすみなさい。
この寝るだけに集中できる和室が最高です。

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朝起きて窓を開けると、気持ちの良いのどかな風景が広がっていました。
左奥には鰀目漁港(えのめぎょこう)も見えています。

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「えのめ荘」さんの他のお部屋もこの雰囲気。
わいわい合宿したくなりますね!

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さて、朝食をいただきに一階の広間へ

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なんだかわからないのですが、
朝食にめっちゃワクワクする。

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きた〜!
美味しそう!!
いただきます!

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昨日のタラのでんぶを炊き立てごはんにのせて食べるという贅沢。

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マダラの腹身の薄塩漬け焼き
あああ!これ、朝ごはんに食べたいと思っていたやつだ!!

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すみません、マダラモード入っちゃってますので、ひっくり返しても撮影させてください。^^;

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冷奴(ひややっこ)。
これは、工藤詩織(まめちゃん)に報告しなきゃなやつだ。^^

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舞茸とほうれん草の玉子とじ
うまいー!

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マイワシの糠漬け焼き
これがまた美味しい!

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こちらもひっくり返させてもらいます!^^;

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イワシの糠漬けのギンギラギンが、全くさりげなく無い件。
本当に綺麗です。
そして、
魚道の第一回目のテーマは【マイワシ】でしたからね。

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アカモクのお味噌汁

全部美味しかったです!
ごちそうさまでした!!

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実は、えのめ荘さんにはカラオケ部屋や、囲炉裏のお部屋など
魅惑空間など色々あります。
それについては、別途ご紹介させていただきます!

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「えのめ荘」の名物女将 加地美紀さんと記念撮影

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お庭にて
能登産 原木生しいたけの「のと115」 の赤ちゃんが生えてきたということで見せていただきました。

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美紀さん、今回も魚道の会場として使わせていただき
能登島ならではの美味しいマダラ料理も教えてくださりありがとうございました。
またお会い出来る日を楽しみにしています!^^

魚道『マダラ』にご参加くださった皆様もありがとうございました。
次は何のお魚を掘り下げていきましょう^^
また楽しい魚時間をご一緒しましょうね!

こだわり

自分達が使う食材や道具などは、可能な限り現地に足を運び、
五感で確かめる。自分達で作れるものは作る、獲れるものは獲りに行く。
『本質』の定義は『原点』だと考えております。