郷土寿司プロジェクト

白コブの巻きずし・黒昆布巻寿司

[高知県]

高知県ならではの昆布の巻きずし。
県東部や高知市内は白板昆布。
山間部や幡多地域は黒昆布と、地域によって好みが分かれています。
白と黒の境界線は四万十町窪川。

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〈白コブの巻きずし〉
高知県須崎市の衣料品店をルーツに持つ、『しまんとハマヤ』。
ユニークな商品を開発し県外に出て行く一方、
皿鉢料理も手がけ、地元住民の胃袋も掴んでいます。
総菜主任の友岡孝之さんは、『おすしのこだわりは、シャリ』と断言します。
味の秘訣は、シャリに混ぜ込んだサバのフレーク。
近くの市場で入手したサバを水煮にし、皮、骨、血合いを取り除いて
砂糖、みりん、醤油で炒め煮に。
地元、窪川の方は濃い味が好きなので、このフレークもかなり濃い目の味に仕上げています。
そのこだわりのシャリを包むのが厚さの薄い白板昆布です。
大きな鍋にみりん、醤油、砂糖、出汁を煮立てて、
昆布を1枚1枚重ならないよう、泳がせるようにして2分炊きます。
すぐ破れてしまうので、熟練の技が必要で
上手に炊けた昆布は、しっかりシャリを巻くこともでき、
食べるとほどよくほどける仕上がりに。
【しまんとハマヤ】
住所:高知県四万十町琴平町476-1


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〈黒昆布巻寿司〉
1976年に窪川で創業した、『みやたエイト』。
一時は中村や南予にも支店を出し、幡多へ進出しました。
以前まで窪川は白コブが優勢でしたが、
今は断然、黒昆布!と総菜主任の小谷勝三さん。
開店当初の総菜担当が佐賀町出身で、
昔から幡多で食べられていた甘口に仕上げた黒昆布の巻きずしを作って店に並べたところ、
『新コブは固い』と、1年寝かせた昆布に当初からこだわっています。
乾燥した昆布を水で戻し、カットし、砂糖と醤油とだしの素を入れて煮ます。
10分ほど煮たら火からあげて、何度か繰り返し煮染めます。
2,3日するといい具合に昆布本来の旨味が出てくるそうです。
シャリは脂がのった焼きサバのミンチとゆの酢(ゆず果汁)、ショウガ、ゴマを加えて
『みやたの味』に仕上げ、甘口に煮染めた黒昆布で巻きます。
口当たりはなめらかで、適度な歯ごたえと昆布本来の味を楽しめます。
【みやたエイト窪川店】
住所:高知県四万十町古市町2-12