郷土寿司プロジェクト

銀不老寿司(ぎんぶろうずし)

[高知県大豊町]

高知県大豊町(おおとよまち)の郷土寿司です。
川沿いの斜面にへばりつくように家々が立ち並ぶこの町。
金時豆はどこにでもありますが、『銀不老(ぎんぶろう)』はここにしかありません。
『銀不老(ぎんぶろう)』とは、
高知県大豊町で古くから栽培されてきた紫紺色の豆です。
昔から7月頃にキビの根元に植え、蔓(つる)がキビを支柱代わりに伸びていき、
11月頃に収穫を迎えると、いぶし銀のような渋い艶がでます。
煮ても割れにくいし、ホクホクで小さい栗の用なお豆。
一晩水につけておき、水から弱火でコトコト、
沸き出したら極弱火にして、柔らかくなったら砂糖と醤油で味をつけます。
お祝いの時などに振る舞う銀不老寿司は、
具材は各家庭で違いますが、ニンジン、ゴボウ、干しシイタケ。
だしを効かせるためにおじゃこを刻んで入れる人もいらっしゃいます。
酢飯の酢は、
ゆの酢100%でマイルドな酸味をやさしい甘さの銀不老に合わせる方と、
米酢を別途加えて、強い酸味と銀不老の甘さを合わせる方と
様々いらっしゃいます。

【GINBUROU SUSHI】
Ginburou Sushi is made from using ginburou, a bluish - purplish bean that has been cultivated since ancient times within Otoyo , Kochi Prefecture.
This type of sushi is enjoyed during celebratory times.

〈材料〉(一升分)
米 1升
昆布 2枚
水 1.8L

調味料A
酢 100ml
柚子酢 100ml
塩 30g
砂糖 120g
チリメンジャコ 50g
しょうが 30g

銀ブロウ 150g(1合)
砂糖 100g
塩 5g

ごぼう 200g
秋豆 150g
にんじん 120g
高野豆腐 2枚
油揚げ 2枚
わらび 200g
たけのこ 100g
干ししいたけ 大5枚
ごま 50g
えごま 25g
だし汁 600ml

調味料B
砂糖 100g
しょうゆ 50ml
みりん 50ml

〈作り方〉
 1 銀ブロウを、豆の4倍程度の水に1晩つけ、砂糖・塩を加えて煮る
 2 秋豆は塩ゆでし、斜め切りにする
 3 その他の具を切り、調味料Bで一緒に煮て味をつける
 4 調味料Aとみじん切りのしょうが、チリメンジャコを混ぜて寿司酢を作り、炊きたてのご飯に混ぜ、酢飯を作る
 5 具と銀ブロウをすし飯に混ぜ、秋豆を上にまぶす

銀ブロウは大豊町で昔から栽培されてきた豆の一種です。
きびがらなどに巻きつかせます。
さやごと煮つけたり、五目寿司、バラ寿司に入れたり、正月の煮豆に使われています。

〈銀ブロウの煮方〉
銀ブロウは4倍くらいの水に一晩水につけ、そのままじっくり柔らかくなるまで煮る。
途中で差し水をすると豆が硬くなるので、足すときは熱湯を加える。
豆にしわができないよう、豆を湯から出さないように煮る。