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ます寿司王子 に会ってきました。

[すし・sushi]

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2018年5月

久しぶりのマス寿司食べ比べの機会がありましたので
マス寿司の最新情報を学びに行ってきました。
このラインナップを見ると
以前、雑誌『dancyu』のマス寿司の食べ比べ企画で
審査員をやったことを思い出します。

富山県で押し寿司といえば、『ます寿司』です。

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今回の講師は
マス寿司発祥の店
『庄右衛門 元祖 関野屋 』7代目 関野伸也さん

ます寿司王子と呼ばれています。

富山のます寿し文化について
改めて勉強させていただける機会となりました。


まず
『ます寿し』とは、

酢、砂糖、塩等で調味した鱒(ます)の切り身とごはんを合わせて
押したものの名称。
と定義を教えてくださいました。

店舗によっては
『ますのすし』、『鱒寿司』、『鱒の寿司』など表記は様々。

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最近では様々なタイプの鱒寿しが登場しているそうで
丸型だけでなく、四角型や長方型も。


【ます寿しの歴史】
平安時代初期
富山県の鵜坂神社にて、春の祭典に際して神通川で獲れた
一番鱒を塩漬けにしたものをお供えしていたそうです。

この時、京の都から来た勅使にお土産として献上したのが
鱒寿しの原型と言われております。
この時のます寿司はまだ『なれずし』だったようです。

室町時代
ます寿司の主流は『なれずし』から『なまなれ』に。

なまなれずしというのは、
やや発酵が進んだごはんと魚を一緒に食べるものです。

その後、現代のます寿司に近くなったと言われています。

江戸時代中頃
富山藩士 吉村新八が『鮎寿し』を生み出し
これを当時の富山藩主 前田利興が徳川吉宗に献上。
大変気に入られ、富山名物となる。

江戸時代末頃
酢の量産が始まり、飯に酢を加えて
現代の『酢飯』でお寿司を作り手早く味わう
『早寿し(はやずし)』が流行する。
というか、いまだに流行っている。
というか、もはや流行りではなく根付いて
世界に広まっている。

早寿しが誕生して初めて、春の風物詩として
現代における『鱒寿し』の原型が誕生。


幕末〜明治時代
神通川に浮かべられた『舟橋』のたもとに
ます寿しを販売する茶屋が現れる。
こういう商売スタイルは
自分も若い頃、誰に言われるでもなくやっていました。
すぐに怒られるわけですが。。^^;


明治45年に『源(みなもと)』さんが駅弁の『ますのすし』を
富山県の駅弁として初めて発売。

現代
老舗と呼ばれるます寿司屋さんは
神通川を改修して作られた『松川』沿いに多くございます。

【ます寿しと地元の人々の暮らし】
昭和初期
春の祭りやお祝い事に家庭で手作りのマス寿司を作り
ご馳走として食べて祝う文化ができたそうです。
その後
徐々に家庭で作るのが困難になり
専門店に頼むようになり
このころから鱒寿司屋さんが増えはじめます。


【近代のます寿し屋さん】
春には旬のサクラマスを使った『ます寿し』
夏には『鮎寿し』
冬には店先で乾燥させる『新巻鮭』など
川魚業を営んでいたます寿し屋さんも
冷凍技術の発達により
現代ではます寿しを通年販売出来るようになっています。


富山県と言えば薬屋さんですが
売薬さんが全国を巡る際に地元の名物ます寿しを
口コミをしてくれたことも富山県のます寿し知名度UPに繋がっているようです。


【鱒寿しの原料】
鱒(サクラマス 他)

米(富山米 大抵の店舗でコシヒカリが使われている。)

調味料(社外秘の醸造酢、秘伝の塩、砂糖)

笹(多くの店が孟宗竹か真竹を使用)

竹(こちらも、多くの店が孟宗竹か真竹を使用)

曲げ物(杉材・・・富山にはます寿司の器(曲げ物)専門の製造業者があります。)


【生産工程】
・鱒を三枚におろして均等にスライス
・スライスした鱒を各店秘伝の調味液に漬け込む
・曲げ物に敷いた笹の上に調味した鱒を敷き詰めていく
・社外秘の調味酢を加えた酢飯を敷き詰め
・寝かせて、包装し完成


【鱒寿しの保存方法】
18〜23℃ほどの
風通しの良い空間が好ましい。

夏場は食べる30分程前に冷蔵庫に入れると口当たりサッパリにいただけるそうです。
冬場は寒さでご飯が硬くなりやすいので保管場所に注意が必要です。


【ます寿し協同組合】
組合加入店が2018年5月現在で14店。
関野屋、せきの屋、高田屋、青山総本舗、前留
千歳、吉田屋鱒寿し本舗、川上鱒寿し店
高芳、なみき、なかの屋、今井商店、味の笹義

組合加入店以外にも
富山県内には50店舗以上の鱒寿し店があります。


次に、
マス寿司の開け方について教えてくださいました。

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だいたいのマス寿司は
このように曲げ物に入り、蓋がされ
それを押さえつけるように上下左右に合計4本の竹の棒を
輪ゴムでキツ目に封してあります。

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このキツ目にしめられた輪ゴムを適当にはずしてしまうと
竹の棒が顔に飛んできたりして
怪我をしたりしてしまいます。
では、どう開けるのか?

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輪ゴムを外すのではなく、
上下左右で挟み込んである竹の棒を
横にスライドさせてとるんです。

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取り外したらこんな感じになるように。
これ、
地元の方は皆知っていますが
知らない方も多いと思いますので
駅弁などで手に入れた際には
是非注意して、この方法で外してくださいね。

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反対側も同じです。

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そして、やっとマス寿司が顔を出します。

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ぱかっ。

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笹ーーーーー。
ここでも焦らず、もう一工程。
二重に重なるこの曲げ物の上部分(通称:かつら)を
外してください。

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ビニールを剥がして、
笹を一枚一枚開けていきます。

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あれ??
笹を開けると、オレンジ色のマスが出る場合と
真っ白な酢飯が出る場合があります。

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ます寿司王子、いったいこれはどういうことなのでしょうか??

実はマス寿司発祥のお店は
関野屋さんと高田屋さんの2軒。
ここのお弟子さん達が暖簾分けされて独立していき
現在に至る様々なマス寿司屋さんに名前を変えて枝分かれしていったそうで、

マスを上にして作るマス寿司(通称:表おき)は高田屋さんルーツ。
魚の脂が酢飯に降りてきて寿司としての一体感を味わえるのが特徴です。

酢飯を上にして作るマス寿司(通称:裏おき)は関野屋さんルーツ。
酢飯にマスの脂を滲ませないことでさっぱりといただけるのが特徴です。

ちなみに、今回の食べ比べの中で
大辻さんのますの寿し『幻』、以外は
全て関野屋派か高田屋派でした。

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切る工程の前に、
裏おきのものは一度曲げ物から取り出し
ひっくり返して、マスが上になるように置き直します。
酢飯側からだと切りにくいからでしょう。

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食べ比べ会ですので、
このショットはマスト!

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マス寿司の切り方。
付属のナイフで切るのですが
笹ごと切るのは昔の切り方。
笹ごと切ることで、
どこでも手で持って手を汚さず食べるための知恵。

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ナイフのサイズや形も各店さまざま。

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笹を開いたらマス側からナイフを入れて切り分けていきます。
王道は半分の半分の半分。
8等分です。

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切った鱒寿司を今一度ならべて撮影。
これはあまり意味なかったですね^^:。。。

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ここからは各店の見た目の特徴や味の違いを各々評価。
マスの酸味はどうか?
マスの肉厚さはどうか?
酢飯のかたさはどうか?
酢飯の酸味はどうか?

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マス寿司の食べ比べ比較用紙は
マス寿司企画の定番です。

ここに僕の個人的な感想は控えさせていただきますが、
・マス酸味が優しいのもの
・マスの脂を強く感じるもの
・バッテラ昆布とおぼろ昆布で挟んで富山感と個性を出しているもの
・塩気が強めのもの
・上下をマスで挟み込むように巻き込んでいるもの
・敢えて生に近い状態のマスのもの
・酢飯にたっぷり脂がしみたもの。
・鮭のおにぎりっぽいもの。
・パサつきを感じるもの
・笹の香りが強く残るもの。
などなど
食べ比べって本当に面白いです。

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会場だった『日本橋とやま館』さんでは
いつも面白い企画が目白押しです。
是非ホームページもチェックしてみてください。
マス寿司の販売はもちろん、
富山県の特産品、工芸品も揃っています。

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『富山のます寿司靴下』!!
ます寿司愛を感じますね。

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最後に
ます寿司王子の関野さんと酢飯屋王子の岡田。。。

この度は勉強になりました。
良い機会をありがとうございました。

みなさん、マス寿司を食べましょう!!