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2017.11.01

大介、お前は東京に行った方がいい。

[寿司岡田イズム記録]

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『大介、お前は東京に行った方がいい。』
その一言が、
僕の運命を変えた。
その言葉を下さった先輩が
先日、若くして他界されました。
寿司職人 加藤則夫さん (享年55歳) 。
コハダの仕込みは
サイズ別で、数秒レベルで塩と酢の締め時間を変えることはもとより、コハダに少しでも熱が伝わらないようにと信じられないほどの速さの切りつけ、お寿司になった時の想定、握りたてへのこだわり。
『大介、なかなか100点が 出ねぇんだよ。ほら、これ食べてみろよ。』
器に盛らずに、寿司を握ったあの手の形のまま
僕の手のひらに差し出されたコハダの握りの美味しさは当時18歳の自分のには衝撃的な美味しさでした。
このコハダの握りで
一体何点なのだろう。。
『塩梅(あんばい)』の真髄を
とことん追求されている寿司職人さんでした。
亡くなられる数日前、
僕はお見舞いに病室におりました。
泣きながらでも、
加藤さんに話したいと思っていたことを伝えた時、
怖くて、優しくて、怖くて優しかったあの加藤さんが
涙していました。
これまでの人生で感じたことの無い初めての感情。
母親が亡くなったあの時とは全く別の感情。
到底ボクには言葉に出来ないような感情。
ここ最近、行くところ行くところで
いつも登場する言葉『塩梅(あんばい)』。
加藤さんからの特別なメッセージは
『塩梅』だったのだなと。
しっかりと心に宿しておきますね。
会いたい人には会っておく。
いや、
会いたい人がいるなら、
今、日時を決めて会いに行く。
そこに後悔の無い生き方をしていきましょう。
今夜は、
加藤さんのことが大好きな関係者OBが大集結。
僕が修行していた20年前の
あの寿司屋の空気が蘇り、
さらにその先の寿司職人の大先輩方の凄味を勉強させていただきました。
人生で出会える人の人数なんて限られています。
その中でも、また会いたいと思う人の人数は
さらに限られてきます。
いつ何が起こるかわからないこの時代。
頭の中に浮かぶ、また会いたいあの人に、
会う約束をするべきだと思うのです。
加藤さん、ありがとうございます。